33-1 逃亡はいどあんどしーく? ページ26
今回は三部に分けるので、一日一部で小出しにしていきます!
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今私はジェイドが必死で逃げている。
こっちに行くとフロイドがいて捕まると思うから左に曲がろう。
アズールは部屋にいるはずだから大丈夫。
「テーネ、逃げても無駄ですよ」
ジェイドのよく通る声が廊下に響いた。
これでフロイドも私を探し始めてしまう。
角を曲がると目の前に現れたカリムに協力してもらおう。
「かりーくん一緒にかくれんぼしよっ!ジェイドとフロイドが鬼!」
「かくれんぼか、いいな!どこに隠れるんだ?」
「しーっ!かりーくんのところ貸してぇ」
✤✤✤
「なんでだ」
「ジェイドとフロイドが鬼で、かくれんぼしてるんだ!二人が来ても絶対に話すなよ、ジャミル!」
はぁ、とため息をついたジャミルが私達が入ったクローゼットの扉を閉める。
扉の隙間から漏れる光でカリムのピアスがきらりと輝いた。
「そのピアスいいなぁ、欲し〜」
私がピアスと同じ輝きを目に宿すと、カリムはピアスを触ってそうか、と呟いた。
二人でひそひそと話す。
「同じのは持ってないんだ。でもかくれんぼが終わったら持ってるのの中から一つ持ってっていいぞ」
「ほんと?」
「ほんとだ!」
「しゅくらん!」
「アフワン!」
"シュクラン"は"ありがとう"、"アフワン"は"どういたしまして"という意味のアラビア語だ。
少し前にカリムから教えてもらった。
外から音がする。
耳を澄ますと、鬼達の声だった。
案の定ジャミルに私を見ていないか聞いている。
ジャミルはどうやらこちらに協力してくれるらしい。
「なんでテーネがここに来るんだ?」
「だって匂いするじゃん」
「匂い?なんの匂いだ」
「子ザメちゃん」
「正確にはテーネの使っているシャンプーの匂いですね」
カリムが不思議そうに私の頭を見て、鼻を近づけた。
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作者名:Rose | 作成日時:2020年4月23日 17時