二年 E組コバンザメ (ページ23)

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32 甘味まうすとぅまうす？ページ23

「鉄壁の令嬢(フィル・ドゥ・ミュデフェール)、これをあげよう。君のために作ってみたんだ」

ヴィルの新作チークを試すためにポムフィオーレ寮に来ていた私は、帰り際にルークに声をかけられた。

貰ったものは小さな貝殻の形をしたもの。

「狩人の紳士(ムッシュ・シャスェール)、これはなあに？」

「ドラジェさ。寮に帰ったら食べてみるといい」

「そっかぁー、めるしー！」

✤✤✤

「って言ったけど、ドラジェってなにかわかんなくて、まいっか食べてみる〜」

いつも通りソファに集まった私達はルークから貰ったものを暫く眺めていた。

その場にいる全員が何物なのか知らなかったため、もう食べてみるしかない。

口に放り込んだ貝殻形のそれは思っていたよりも硬く、そして猛烈に…

「…あっっっっまーーーい！やだぁー、フロイドぉ」

「はぁーい」

いつもの返事をしたフロイドが私に顔を近づける。

アズールはこちらもいつも通り顔を逸らした。

耳が赤い。

フロイドの唇に私の唇をつける。

フロイドの舌が私の口に入ってきて、甘い塊を掬いだそうとした。

しかし。

「うぇっ、甘っ。オレやだ。ジェイド」

「かしこまりました」

「はぁっ!?」

あからさまに嫌な顔をしてジェイドと交代したフロイドは、アズールの短い叫びににやりとした。

「なんでアズールが照れてんのぉ。まぁいつものことだけど」

「よろしいですか？テーネ」

「ん〜、はやくぅ」

今度は私がジェイドに顔を近づけ、ジェイドがフロイドと同じように、そして確実に塊を掬い出した。

「ありがとジェイド」

「いえ…これは、砂糖菓子ですね。甘いものが苦手なテーネのお口には合わないはずです」

紅茶を淹れましょう、と席を立ったジェイドを見て、アズールがため息をついた。

「なんであなた達はなんの躊躇も無くキ…キ」

「"キ"？」

「"チ"でもいいんじゃん？」

「どっちでも結構！兎に角、絶対に人前ではやらないでくださいよ！」

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駄目だどうしてもアズールのダメ男感が否めない。
どうしたらいいでしょうかね(泣)
ルーク先輩のあだ名はですね、
"鉄壁"はアズールとリーチ兄弟が常に"護衛"してるというところから、
"令嬢"はテーネは学校唯一の華ですし、"鉄壁"の"護衛"がいるので、ね。