赤石より熱く【カーズ様】 (ページ8)

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その陸ページ8

カーズサイド

妙だ

あの女………………A……

確かあれはまだ私たちが眠る前なのに……

あいつは、わたしの恋人そっくりだ

『ちゃんとご飯くらいたべなよ？』

『ねぇ！闘技場！はやくいきましょ！』

『カーズ……』

『私たち、これからも一緒にいられるかしらね』

『さあな、いくら私でも、未来予知などできんさ』

『それもそうね、……ねぇ、あなたは私が死んだら悲しい？』

『あたりまえだろう』

『よかった、あなたは、そう、思ってくれるのね』

『恋人に死んで欲しいと思う奴があるか』

『ふふふ、ありがとう』

そうだ、あの時はこれが最後だったな

私といた事で……ころされた

お前が虫の息で、今にも息をやめそうだった時

『カーズっ………………～～～～～～…………』

お前は、なんと言ったのだったか

あの時お前が手にしていた花の名前はなんだったか

だれも、私に教えるものはいない

あの時は酷く錯乱した

悲しみという感情で、涙さえ出た

その持つ怒りで、ひとつの国を堕とした

そのせいで、私の記憶は薄れてしまった

あの時、なんとお前はいったのだ

私はお前に何もしてやれなかったのだぞ

何故お前はこんな私を愛した

私だって愛していたさ

「A……………………」

こんな偶然があるのだろうか

顔も名前も一緒で

同じような性格を持つ

私が愛した匂いを放ち、

私が愛した微笑みの顔

すべて、すべてだ

Aの全てを、愛していた

その事を話すべく、私はAを、呼び出した

なんと言われてもいい、Aが、そばに居るのだから