その弐拾壱 ページ23
その名前に動揺がどうしても隠せなかった
カーズはかっと目を見開く
「おい！！いま、その名を……！！！」
「うん、れっきとした僕の子だ。名前はA」
「そして、私は
フジノハナAの子孫さ」
「それは真実か」
「うん、じゃあA似合いに行く前に書庫にでも行くかい？そこにはうちの家系のことが書いてあるから」
「…………」
カーズは考える
必死に頭を駆使して、でも、やはり
彼女に会いたいのだ
「いや、そのままそのAとやらの場所へ向かおう」
「そうか、わかった。じゃあ着いてきて」
「ああ」
〜〜〜
しばらくして着いたところはこじんまりとした離れだった
そしてその前の襖に立った
「ここにいるよ｣
「そうか」
「……A、少しいいかい？」
「だめよ、いましなくては行けないことがあるから、」
「それはなんだい？父にも、教えて欲しい」
「………………確かに、私を産んでくれたことには感謝しています。ですが、記憶がある今、あなたは私の子孫よ、父はやめてちょうだい。耀哉」
「ふふふ、すまない。今日は君に客が来ているんだ」
「そう、でもごめんなさい。会えないと伝えて」
「何故？」
「誰にもあいたくないの、ただ唯一ずっと愛し続けている男性しか」
「それは、君が記憶を取り戻す前に言っていた名前かい？」
「よく、覚えてますね、ええそうよ。
私はカーズを待っているの
彼はわたしの唯一無二の存在」
その言葉を貰えた嬉しさで、
カーズは勢いよく襖を開けた
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作者名：まー納豆 x他1人 | 作成日時：2019年6月27日 18時
