その拾 ページ12
そのご下の方で神砂嵐の音が途切れることなく聞こえた
ワムウがだれかと戦闘している
私とカーズはと言うと
「ぐぎゃああ」
「ひぎいいいいいい」
取っておいた人間達を吸血鬼へと変えていた
彼が石仮面で次々と吸血鬼を量産していく
私は見ているだけ
吸血鬼になったヤツらが私を凝視してくるが、無視をしてカーズのほうを見ていた
〜
そして、吸血鬼たちを天井に立たせた
するとすぐに血だらけのワムウが来た
「ワムウ、その後は」
「1人の戦士の、息の根を止めました」
「そうですか、では少し失礼しますよ」
そう言ってワムウに近づき、跪く
「A様、そのような行為は、」
「その、様、というのは辞めてと言っているじゃあないですか」
「いや、でも、」
彼は私がカーズと親しくなってから、カーズやエシディシのように「様」をつけて話してくるようになった
そんなものいらないと言っているのに、
大方、カーズの目が怖いだとか言うのだろう
まあそんなことは置いておいて
「傷の治りが遅いですね」
「はい、波紋を沢山くらってしまったので」
「ではこれを使いましょうか」
そう言って注射器を取り出した
「？、それは」
「注射器と言いまして、薬をこの針を伝って体内に入れるのです｣
「そんなものがあるのですか」
「ええ、効き目が早いんですよ、この薬はあなた達から採取させてもらった血を使っていますので、効き目は物凄く早いです」
「そんな……ありがとうございます」
「いいのよ、とりあえず、早く済ませちゃいましょう」
そう言ったはいいものの、
ぎゅ
「カーズ……今私は治療をしています。離れて」
「冷たいことを言うな、もうすぐでJOJOがくる。それまでは…」
「嫌よ」
「そんなことを言うんじゃあない」
「か、カーズ様」
そんなやり取りをしている間に治療は済んだ
「ほら、あなたのいる所はあそこですよ」
「む、A、行くぞ｣
「ちょ、なんで私もなんですか」
「いいだろう？お前はもう立派な俺のつがいだ」
「……もう勝手に言っておいてください」
されるがままに腰を引き寄せられて彼の座る椅子へと向かった
扉の向こうから何やら音が
きっとカーズが放った吸血鬼がやられたのだろう
ワムウが明かりを血で消した
そして扉が開いたーーーー……
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作者名：まー納豆 x他1人 | 作成日時：2019年6月27日 18時
