今宵、暁が焦がる頃に弐 (ページ26)

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拾伍:助言ハ芽ト為リ花ト為リページ26

1日ずっと考えていた。
ひりひりと痛む額を戒めの意味も込めてぺちり、と1つ叩き、目黒が言っていた事と阿部の(聞いた事がある限りでの)境遇の事を考えて、
それでも自分は阿部に「人間みんな悪い人ではない事」も知ってほしくて。
どうしたらいいかなぁ、なんて、ない頭で考えてみる。

ただ我武者羅に伝えるだけでは駄目らしい。
与えられなかった自分が惨めに思える、相手に悪気がないのも知っているから尚の事そういう風に考えてしまう自分が憎らしくなる。
…きっと、今のまままた続けていれば、今度は本当に阿部がボロボロになってしまうかもしれない。
けれどこのまま放置は嫌なのだ。
阿部に人間嫌いのままでいてほしくないのだ。

目黒「…で、それを夜通しずっと考えてたって訳？」
佐久間「途中で寝落ちちゃったんだけどねぇ…ふわぁ…」
向井「それで、何かええ案は出たん？」
佐久間「…」
目黒「出てないんだね…」
朝食をかき込みながら、しゅん、と黙り込んだ佐久間の様子を見てその眠たそうな目と引き換えに何も得られなかった事を察する。

岩本「そういや舘さん、昨日どうだったんだよ。阿部をふっかの所に連れて行ってみたんだろ？」
佐久間「あ！本当だ！あべちゃん大丈夫だったの！？」
宮舘「途中で逃げ出してしまってねぇ…あぁでも、「本当に人間？」なんて問うてたから、少しは最初より心象もマシになっていると思うよ」
渡辺「…今日も阿部の所で食うの？」
宮舘「そうだねぇ、阿部が来なさそうだからねぇ」
渡辺「…」
ラウール「しょっぴー顔こわぁい」
宮舘「仕方ないねぇ…後でちゃんと構ってあげるから、早くその機嫌直すんだよ」