海 ページ22
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どこ行きたい ？ って聞かれたけど 、
それといった所は思い浮かばなくて 、
｢ どこでもいいよ 。 ｣
なんて 、 答えてしまう 。
｢ ん 〜 。 海行きたいなあ 〜 … ｣
Aちゃんが 、 囁く様に言った 。
｢ 行きたい 。 ｣
そう答えると 、
また少し 、 スピードが早くなった気がした 。
こやさんの家からは 、
少し離れた海に着いた 。
よく 、 ドラマに出てくるみたいな 。
まだ少し肌寒い 、 綺麗な海だった 。
｢ ん 〜 、 何かあったの ？ ｣
恐る恐る聞いてくるから 、
少し面白くて 、 笑ってしまう 。
｢ な 〜 に ？ ｣ ﾌﾌ
なんて 、優しく笑うから 、
｢ 彼女と別れたんだ 。 ｣
今なら 、 言える気がしたんだ 。
｢ そっか … ｣
海を見て 、 答える横顔を見ながら続ける 。
｢ 他に大事な人がいるんでしょって 。 ｣
Aちゃんは 、小石で遊び始めたけど 、
｢ 思い当たる事は 、 あったの ？ ｣
話す時は 、 ちゃんと目を見てくれる 。
｢ だから 、 何も言い返せなかった … ｣
少し泣きそうになるのを 、 堪えるけど
もう無理だ 。
せめて 、 顔隠さなくちゃな 。
そんな考えは 、 すぐに消えて 。
ぼやけた海は 、 すぐに暗くなった 。
｢ 千葉くんは 、 頑張ってる 。 ｣
｢ 翔汰も友哉も西村も私も 、 全員知ってるよ ？ ｣
｢ 千葉くんが 、 隠れて練習したり 、 ｣
｢ いっぱい悩んでたり 。 ｣
｢ 皆 、 見ててくれてるよ ？ ｣
｢ だから 、 きっと大丈夫 。 ｣
｢ 皆 、 支えてくれるから 。 ｣
｢ だから 、 辛かったら素直に言うこと 。 ｣
いつもとは 、 違った優しさで言われる言葉は 、
心に凄く響いた 。
｢ もう 、 離れても大丈夫だよ 。 ｣
そう言うと 、 やっと離れてくれる 。
やっぱり 、 好きだなあって 。
｢ ごめんね 、 勢いでぎゅってしたくなった 。 ｣
｢ ん 〜 ん 。 ｣
なんて 、 格好付けて答えるけど 、
多分 、 海と同じ位 、赤いはず 。
・
続く
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リみみ - 2話、誰side？ (2018年6月4日 18時) (
レス) id: e4407b93c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＃渡邊 彩華 | 作成日時：2018年1月30日 14時
