十一羽 ページ30
???side
目を覚ますと、其処はベッドの上だった。
顔に何か巻かれているのか、妙に視界が悪い。
病院だろうか、天井は白く、視界の端には点滴の様なものも見える。
「ああ、良かった!目が覚めたんだな!千尋!」
いきなり視界いっぱいに男の人が出てきた。
ちひろ……私の名前?
分からない……何も思い出せない。
「………貴方は?」
「っ!!やっぱり、何も覚えてないのか…。君は葉山千尋。僕、谷崎幸一の婚約者だ。一週間前、君は行方不明になって、三日前、全身に、特に顔に傷を負った状態で発見された」
………幸一、さん…?
「……ごめん、なさい。分からない………」
「良いよ、これからゆっくり思い出していこう。大丈夫、僕がついてるから」
ふと自分の左手首に光る物が見えた。
ゆっくりとそれを見る。
「ああ、それは僕が君に送った物だよ。それのお陰で、君だと分かったんだ」
所々、ちょっと緑がかった大きめの石や、水色の羽の飾りが付いている、青いブレスレット。
「………そう」
何故か、それがそうではない感じがした。
けれどこのブレスレットは、誰か大切な人に貰った物だということは、確信が持てた。
外を見ると、何処か見覚えのあるようなカラスが、私を見ていた。
まるで、何もかも見透かしているように。
If end……
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もくもく@鬼灯なぅ - みーさん» あ、本当ですね!ご指摘ありがとうございます! (2015年11月7日 1時) (レス) id: 4a5e4162ae (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 報告書二枚目の、近所の大学生と若い警官数名が犠牲になった事件で、夜行が夜光になっています。故意でしたら、すみません。 読んでいてとても引き込まれる話で、面白いです。私もこんな風にかければなあ笑 (2015年11月4日 20時) (レス) id: bcd7e9b2cd (このIDを非表示/違反報告)
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