【チョロ松】もう何も要らないよ【おそ松さん】

よんじゅうしち ページ47

✘月✘日。日曜日。


朝から忙しかった。


残っていた仕事を余分に終わらせて、会社にデータを送った。

一緒に、辞める手続きを済ませた。


それから、よく物語にあるみたいに、部屋の片付けに時間を使おうとした。

でも、この部屋はどこまでも無機質で、三十分とかからなかった。

最後くらい、普通の人間の様にしたかったけど、諦めるべきなのかもしれない。

そんなふうに、無駄な事を考えて少し笑った。


そういえば、どうして物語の演出はあんなに派手になるのだろう。

別に、あんなに高い足台や麻紐は要らない。

ドアノブと、タオルで事足りるはずなのに。


柄でもなく書きだしたこのノートは、どうなってしまうんだろうか。

最後になっても、淡々と書き続ける自分は嫌いだ。

もし、両親である二人の目にとまったら、親不孝だとなじってくれて構わない。

ただ、兄弟の、皆の反応は全く想像出来ない。

それとも、もう、僕の事なんか忘れちゃったりするのかな。



酷い事たくさん言ったと思う。

本当はこんな奴でした。ずっと嘘でした。

ごめんなさい。



これに、どこかに少しでも、何か良い事は書かれてないだろうか。

きっと無いとは思うけど、僕の空白が残ることだけは確かだから。




心残りとか、よく分からないけど、多分無い。

ただ、望みを言っていいとしたら。




おそ松兄さんに会いたい。

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