【チョロ松】もう何も要らないよ【おそ松さん】

じゅうし ページ15

叫びそうな程の頭痛で意識が戻った。




『………ぁ……』


瞼が重く、思わず呻き声を漏らす。




ぼやけた視界で周りを見渡すと、すぐ近くに人間の顔があった。





「…俺の事分かるか？」




これは誰だろう。


確か青は……………………あれ……………？




「えっと………チョロ松兄さん？」


「何か答えてよ」




黄色。

桃色。



誰が誰で誰は誰だ？




「…………兄さん、自分の名前言って？」



ずっと黙っていた紫色。




掠れる声は、本当に僕のものなのだろうか。




『…ま………松野…チョロ松…………？』



「じゃあさ。僕らの名前、上から順に言える？」





名前は覚えている。




でも、順番が分からない。



……分かるわけない。


ましてや、誰が何と言う名前なのかなんて。







でも、心配かけたくない。




『……い…一松、カラ松、トド松、十四松』






やはり、違ったようだ。




その場の全員の目が凍った色になって。





「……あと一人足りないよ。」




桃色の言葉に、その頭痛が酷くなった。




分かってる。

もう一人いた。




どんな名前だったっけ。




自称人間国宝で、

謎の自信の持ち主で、

兄弟思いで、

自分の事を放っておくのが得意で。





『……ごめん…なさい。僕は分からない』




ねぇ、そんな目で見ないで。

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