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『どこいったんだろ...』
あの後いくら探しても、彼女は見つからない。
((なんて言えば、あいつを悲しませずにすんだんだろう...。))
今更後悔しても遅いのはわかっているのに、さっきからそんな事ばかり考えてしまう自分がいる。
「...っ...」
『...っ!?』
俺が悩む時によく来る公園で、彼女は声を押し殺して泣いていた。
『A...』
「(ビクッ)...浅..沼..さん...」
やっと見つけたのに、なんて言ったらいいのか分からなくて、何も話せずにいた。
すると、
「怒ってごめんなさい...。浅沼さんが会いたくないなら、私は、会わなくても、いいですから...」
力なく言われた彼女の言葉に、自分が言ってしまったことの重大さを改めて感じた。
『...ごめんね。俺だって会いたくないわけじゃないんだよ。ただ...』
ただ、会った時に笑顔で彼女と話せない自分がいると考えた時に、それは彼女にとっての幸せではないと考えてしまったのだ。
「分かってます。私といると、余計に疲れちゃいますよね...」
彼女は、渇いた笑顔でそういった。
『っ!!そんなことは無い!!俺が、Aを幸せに出来ないと思ったんだよ...』
「勝手に、人の幸せを、決めつけないで下さいっ!!」
あぁ、自分は彼女のことを考えてると言っておきながら、結局自分のことしか考えていなかったんだな...
もう少し続きます。
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作者名:こーん | 作成日時:2020年2月20日 20時