検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:36,513 hit

・15話 ページ15







「出会いを教えるには君はまだお子様だねー」





なんて、冗談半分で
茶化してみたら。




「うわAちゃん、えっちだ!」



「別にそんなことない。


 …つもりだったけど、ホントにそうかも。
 一ヶ月抱かれてないだけで
 欲求不満でどうにかなりそう。」





はぁ。
出すつもりのなかった弱音と共に
ため息が出る。



そんな私を心配そうに覗き込んで



「じゃあ、私が相手してあげよーか。」




私、どっちもいけるくちなんだー。




なんて。
思ってもみなかった言葉が。






彼女の顔はいつもの
うるさい女の子じゃなくて、
女の顔をしていた。






冗談とも本気ともとれる
彼女の言葉にどう答えていいか分からなかった、そんな時。







「欲求不満なら俺が解消してあげよーか。」

って萩原君の声や、


「いや萩原より俺の方がうまいぜ。」

なんて言う松田君の声。



降谷君や諸伏君、伊達君が
2人に怒っているのも聞こえてきて。









「ぷっ‼ふはははは!」




みんな頭の上に目に見えない
クエスチョンマークが乗っている。






分からないでいい。




私はただ嬉しかったのだ。
彼らが銭湯にまでついてきたことも。
励ましてくれたことも。





確かに欲求不満はないわけではない。
が、しかし1週間後私が警察になることを
志したといえばジンが離れていくのではないか。



と、内心胸が潰れそうなのである。




可能性としてはジンが
警察、例えば国家機密に関わるような
公安とかFBIとかの可能性だってある。




それなら拳銃を持ってたのだって
頷けるし、職業を言わないことにも
納得できる。





ただそれよりも
疑わしいのは警察とは逆の、
そう。追われている身の方だ。




そっちの方が納得いくことが多くて
切なくなった。





でも。
もし、ジンとお別れすることになっても、
私には彼らがいるじゃないか。




そう思えるようになった。






「Aちゃん、最初あった時より
 柔らかくなったよね。」




あ、もともときついイメージも
なかったんだよ?

でもなんかこう。更に柔らかくなった。




なんて。
目の前の彼女はいつもの
お調子者の顔に戻ってて。



「あの5人のおかげ?」






「…きっと、そうだと思う。」






恋よりもずっと深い絆が
あると思った。

・16話→←・14話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゅゅ - めちゃくちゃ好きです……この小説で警察学校組に興味を持ったのでほんとに感謝です、!!更新待ってます! (2021年5月22日 10時) (レス) id: cd6ed5edd7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年8月18日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。