迷い猫は簡単に懐かない【SixTONES】【SnowMan】 (ページ1)

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樹side

「ね、何してんのおじさんとお嬢ちゃん」

まだネオンが光る繁華街
ちょうど日にちをまたいだ頃に偶然見つけてしまった

「いや、これは違くてだね」

いかにもプライドと地位の高そうなおじさんは冷や汗をかきながら少女の手を掴んでいる

「あ～そういうのいいんで早く離れたらどうですか」

片手で追い払うとおじさんの陰に隠れていた制服に身を包んだ女の子に近づいた

「君、大丈夫？」

「…余計なことしないで」

「は？」

「泊まるとこなくなっちゃったじゃんか」

助けてやったつもりなのに気の強そうな女の子から返ってきた返事は予想してないもので今にも噛みつきそうなくらい態度は刺々しい

「…何してんの」

「何って清く正しいヒモ生活」

「バカ？」

「お兄さんにそうまでしないと生きられない人間の気持ちわかんの」

声をかけた時女の子の足は震えてて今だって気の強そうな瞳は揺れている

というか対価を支払っているならそれは清くも正しくもなければそもそものところヒモでもない

「分かるっちゃ分かるからあんま言えねえけど。高校生の女の子がすることじゃないよそれ」

「"普通の"高校生の女の子じゃないからいいの」

どうしよう、と俺の事そっちのけでスマホをいじり始めた手元を覗き込むと明らかに同じことを繰り返そうとしている

「じゃあさ俺がお前のこと買うからついてこいよ」

「お兄さん言ってる意味分かってる？」

「お兄さんを誰だと思ってんの」

「めちゃくちゃ悪そうなやつ」

「ならわかってるに決まってんじゃん」

笑ってそう返すとへー、と呟いてジロジロと見てくる

「お兄さんイケメンだし泊めてくれるならタダでいいよ」

「まあお兄さん意味はわかってるけどそういうつもりは最初からないよ」

「それ慈善事業？」

「残念。そんなには安くありません」

ともかく制服の女の子とガラの悪い男が並んでる構図は色々と大問題だ

「とりあえず寝るとこなくて困ってんだろついてこいよ」