鬼が伍匹。 ページ5
どうしよう。
少年はそんなことをぼんやり思った。
足が、固まってる。
異常事態で、すごく痛い。
カナヲさん、大丈夫かな…。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヒュンッ！
獣の呼吸＿＿＿＿＿＿＿＿伍ノ牙＿＿＿＿＿＿＿＿狂い裂き！
あ…来てくれたのかな…誰か。
何か…上から…降ってきた？
風を切って降ってきたのは…イノシシの被り物みたいのをかぶった、…男の子？
腹筋ヤベぇ…強そう(((
「てめぇ上弦の弐だなバレてるぜ！！ハハハーア！てめぇを倒せば俺は柱だ！！」
そしてなんか……雑そう。
「カナヲ！お前傷だらけじゃんか！怪我したらあれだぞしのぶが怒るぞ！」
その一言ではっと現実に戻される。
カナヲさんがすごく悲しそうな顔をした。
「…死んだのか？しのぶ」
「死んでないよ！彼女は俺の中で永遠に生き続ける！」
のたまう童磨。
何か。
…何か、めっちゃ、悔しい。ウザい。
痛いくらいカナヲさんがわかる。
震えることしかできないんだよね。
強いんだよ。悔しいよね。辛いよね。
…殺したい。
なのに足がここから外れないっ…！
ここにいるのがバレるのも時間の問題だよね…どうにかしなきゃ…一人で…
「咬み殺してやる塵が」
この人、結構できる人だと信じる。
頑張ってよ…！
僕の分までこいつを叩いてよ…！
届かない祈りは、灰に溶けた。
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作者名：零堂June | 作成日時：2020年9月2日 12時
