ラスト2。 ページ29
私は一人、縁側に座っていた。
私は結局、何も出来なかった。
無意味、だったなぁ…。
「そんなことねぇよ」
驚いて後ろを振り返ると、猪の被り物…
「い、伊之助くん…」
「墨、全然無意味じゃねぇよ!」
ずかずかとこっちに来て、言う。
「墨がいたから俺様は吹き飛ばされずにすんだ!墨がいたから紋治郎が刀持てたじゃねぇか!
それって全部、墨が意味あったってことだろ!」
縁側に置いてあった桜餅を手でそのまま食べる。
「でも私、s」「ごちゃごちゃうるせぇな!」
「お前は意味あったつってんだろ!
最後の水月?なんとかもすげぇ格好良かったぞ!さすが俺様の弟子だ!」
頭をガしガしと撫でられた。
「ちょ、ぼさぼさになるでしょうが!」
「んなもん知るかよ!とにかく!お前はお前のまんまで良いっつってんだ!」
しばらく眼と眼を合わせるうち、なにか、心の底から湧き上がってくる感触に襲われた。
…何だろう、これ。
「はっ!?」
気がつくと。
目から、一筋の涙が溢れていた。
「___っあんまり見ないでよ…」
「わっ、悪ぃ…」
無言の時間が流れる。
「お前、もう泣くなよ。」
「え?…何で?」
あー、と頭をかきながら言葉をつまらせる伊之助くん。
「お、お前の泣き顔が不細工だから俺様が忠告してやったんだ!感謝しろ!!」
「は、はぁ!?」
何よ、それ。
「___っ!もう良いだろ!俺は行くからな!」
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作者名:零堂June | 作成日時:2020年9月2日 12時