鏡の呼吸 伍ノ型 ページ23
「そうか。」
間髪入れずに触手で攻撃を入れる。
素手で抑えながら、手を斬りながら反対の手が止まっていることに気付いた。
「み、蜜璃さんっ！！」
そう、反対の手は甘露寺蜜璃さんが持っていたんだ。
やった、蜜璃さんばんざい！＼(^o^)／
「もういい加減にしてよぉ！馬鹿ぁ！」
そう言って片手を引きちぎった。
さすが先輩、素手ですごい！
その次の瞬間。
がヒュン。
え？
あれ、蜜璃先輩…攻撃食らった！？
しかもこっちにもガヒュン来るよ！わああああああ！！！
背中からなんとか逃げる。食い止めてくれたのは不死川さんだった。
不死川さん……ありがとう……！
でも……頭含めた全身のショックが凄い……。
何時の間にか右手左眼がほとんど無い……気づかなかったや。
前とは違って、痛みは全然来ない。
私、大丈夫だろうか。
そこで私の記憶は、ふっと途切れた。
「……？」
目を開くと空は黒いままだった。
あれ、私、ここ何処だっけ。
「目を覚ましたか」
あれ……
「ゆし、ろ……？」
「わかるか？」
コク、とうなずくことしか出来ない。声がかすれていた。
「いった……」
「そりゃあそうだろ、お前これでよく戦えてたな」
あ、
「村田、……さ、ん……お久し、ぶり、です……」
「話すな、出血量が増える」
愈史郎が怒ったように言う。
私は上半身を起こした。
「鬼舞、辻、無惨、は、……？」
「今鬼殺隊が殺ってくれている」
忌々しそうに舌打ちする愈史郎を横目で見ながら人影や音のある方に目を向ける。
まだ、左眼は少しだけ、見ることはできる。
鏡の呼吸＿＿＿＿＿彼岸朱眼
「夜、明け…？」
陽の光が見えたんだ。
そうか。
もうすぐ、夜明けなんだ。
私は最後の力を振り絞り、仲間の元へ駆け出した。
「おい、墨っ！？まだ縫いきってないんだぞ！！」
そんな愈史郎の声が聞こえた気がしたけど、気にしない。
「鬼舞辻無惨、私はお前を許さない」
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作者名：零堂June | 作成日時：2020年9月2日 12時
