人間が肆匹。 ページ13
「…えっと、時透くん?」
何か、気まずい。
一人で訓練しようと思い、人里離れた(?)山にやってきた。
そして木を敵だと思って殴ったら、
……木がそのまま倒れた。
「わああああああああああああ」
僕が急いでそっちを見たら、人影が。
「危ないっ!」
んで、今に至るわけです。
「ごめん…怪我してない?」
「うん、全然平気」
あ、意外に軽い感じなんだ。もっとしつこく怒る人かと思ってたや。
「…今の、すごくない?どうやったの?」
「え?あ、えぇっと……」
こことかに力込めれば意外と木って折れるよ、この木が軟かったのもあるけど。
そんな事を言うと、時透くんは横に立っていた木に拳を振り下ろす。
案外簡単に折れた。
「ね、できたでしょ?」
ふふ、と思わず笑いかけると、時透くんは目を輝かせた。
「すごい、ありがとう」
え、格好いい!
目にハイライトが入る瞬間、僕のハートが、ズキューンって、いった。←←←
おい、色気…(悶絶)
僕、当初からだいぶキャラ変わってんな…
もうすぐギャグ要員認定されるぜよ、鏡の呼吸の使い手紅河墨14歳。
そこから、僕は毎日ここへ通うようになった。
時透くんもよく来ていて、話し相手になってくれた。
時透くん、いや、無一郎って記憶喪失なんだって。
「忘れちゃうの?」
僕がそう聞くと、儚げに笑ってみせた。
「じゃあ、墨も僕が忘れないように、手伝ってくれる?」
「もちろん!ずっと一緒にいるからさ!」
。
。
。
……今のプロポーズになったんじゃ?
いや、気のせいだよね、きっと。
無一郎の顔が赤くなってみえるのも、きっと気のせいだよね?
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作者名:零堂June | 作成日時:2020年9月2日 12時