人間が弐 ページ11
「じゃあまず…名前は何という？」
シーンと静まる密室。
「僕の名前は、
久しぶりに言う名前は、掠れてしまう。
咳き込むと肺が痛い。
その後お館様と色々話して(雑)、 最後に呼吸のことを聞かれた。
だからもう、本当のことを言うことにした。
僕は鬼が嫌いだった。
大嫌いで、鬼を絶滅させたかった。
何故かと言うと、僕の母は鬼と恋愛していたから。
恋愛という言葉を使ったが、それは互いに愛し愛されなんてものではなく、
依存し依存されの共依存だった。
母は鬼に依存するために、鬼になった。
母は孤児院を開いた。
最初、僕と兄、弟は母が普通の人間と信じて疑わなかった為、何故孤児を集めるのか、
訳が分からなかった。
でもそれが善意だと信じていた。
信じたかった。
母は子どもたちを一人ずつ、愛人である鬼に預けていった。
最年長の兄、二番目の僕は違和感をすぐに感じ取った。
僕たち3人は家を出た。
弟が殺された。
兄は片目を失った。
僕は体には支障はなかったが、呪いをかけられた。
それはすべてが偽物に見える、という病気。
新たなものは平気だが、今まで見てきたもの、全てが偽物だと認識した。
兄を傷つけた。
自由になりたかった。
だから今までの鬼の血鬼術や、聞いたことのある呼吸、全てに鍛錬し、強さを求めた。
すると、こんな呼吸が使えるようになってしまった。
【鏡の呼吸】
ほとんど全て、その戦いにおいて出した呼吸、血鬼術をコピーできる、なんていう、
＿＿＿＿＿＿＿＿都合の良い呼吸を。
「最終目的は？」
「鬼の撲滅」(即答)
「私はそれを聞きたかったのだよ、墨」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零堂June | 作成日時：2020年9月2日 12時
