鬼が壱匹。 ページ1
_______蜈蚣ノ舞 百足蛇腹。
(ほんと、頭にくる)
童磨と戦い力が尽きてくる。
鬼殺隊蟲柱、胡蝶しのぶは思っていた。
(ふざけるな、馬鹿)
だって。
最後の手と思い放った《蜈蚣ノ舞 百足蛇腹》だって効かないのだから。
落ちていくしのぶに手を伸ばす童磨。
(私は、鬼に捕まるのか)
(鬼に、殺されるのか)
「危ないっ!」
そこに、知らない声が届いた。
(鬼殺隊じゃない…)
しのぶは朦朧とする意識の中、声の方を見上げると、そこからはっきりとは見えないが、
背の高い人間が降ってきたように見える。
「おや…君は?」
「うるせぇ冷血漢」
低い声でそう返すと、落ちてくるしのぶを童磨の前に抱きとめた。
「鬼殺隊…何これ、むし?って読むの?柱?まぁいいや、ちょっと休んでいて下さい」
「はい…ありがとうございます」
童磨と睨み合いを続けながら答えるしのぶ。
「ははっ、助っ人かい?頼もしいねぇ」
「黙れ上弦の弐、童磨」
あらためてその顔を見てみる。
少女か、否これは_______美少年か。
姫カット____碧の交じる緑の黒髪に刺さった、艶のある鼈甲の簪。
瞳は吸い込まれるように碧く、人形のようだった。
スリムで長身だが動きにはキレがあり、一糸乱れぬ足捌き。
ブーツに袴の
_______そう、まるで鬼のような。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:零堂June | 作成日時:2020年9月2日 12時