kz 短編集

story１ サプライズ ページ1

このサプライズ企画は、一本の電話がかかってきたことから始まった____


８月。セミが鳴いている季節。

彩が勉強していると、一本の電話がかかってきた。



「誰からだろう？」


電話に出るため、階段をおり、受話器を取った。




「はい、どちらさまですか？」

すると、受話器から穏やかな声が聞こえた。


「あ、小塚です。彩さんいらっしゃいますか？」


彩さん＿＿

普段聞き慣れていない呼び方に、少しドキッとしながらも、応える。



「あ、私。彩よ。どうしたの？事件？」


最近集合がなかったためか、胸が踊る。


「今回は事件じゃないよ。あのね、アーヤ。明日、若武の誕生日なんだけど。
若武の誕生日サプライズしない？」


え？

若武、誕生日なの？

初耳………



でも、サプライズかぁ。面白そう！




「やりたいっ！若武を驚かしたい！！」


つい、大きな声で言ってしまったことに、恥ずかしさを感じたが今は驚かしたい気持ちで胸がいっぱいだった。


「そういうと思った。もう島崎さんには了解をとって手伝ってくれるらしいから、
明日の午前9時、若武の家で集合ね。」


うん…って、え！？



「若武にばれちゃうじゃない！！どうするの？」

「あぁ、それなら大丈夫。
なんかスマホの修理に行くらしくって、1時間くらい家にいないらしいよ。」


あぁ、良かった。サプライズなんだからね。

「じゃあ、明日ね。」


そう言って電話を切った。




うーん、誕生日だったら、プレゼントとかも持っていかなきゃね。

何にしようかな…




そのとき、奈子が帰ってきた。

「ただいま！」


よし奈子に聞いてみよう。

きっとまともな意見は得られないだろうけど…。



「ねぇ、奈子。お姉ちゃん、サッカーやってるお友達にプレゼント渡すんだけど、
何渡したらいいと思う？」


「うーん、タオルがいいと思う！」



タオル…かぁ。

うん、いいかも。奈子にしては、いい考えね。



「ありがとう。奈子。」

私は奈子にお礼を言って、タオルを買うため、家を出た。




うーん、汗とか拭くようにハンドタオルにしようかな。

あれこれ考えながら、お店につき、色なども考えタオルを買った。

結局私が選んだのは、汚れの目立ちにくく若武の好きな緋色のタオルだった。

これに金とか黄色の糸で、ちょっと刺繍しようかな。




その日は、明日の準備をしてから、布団に入った。

明日は若武にとって最高の日になるようにしよう＿＿＿


そう思いながら目を閉じた。

。→

ラッキーアイテム

危ない誕生日ブルーは知っている

ラッキーkzキャラクター

立花 彩

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す