九十話 ページ15
それから。
かなりぐっだぐだであった。
出て来たAの姿に善逸が発狂。炭治郎赤面。→三人の顔面を見たAが崩れ落ちる。→Aの女装が宇髄に馬鹿にされる。→Aがブチ切れる。→炭治郎がなだめ遊郭へ〈今ここ〉
音柱への恨みが再燃したAの眼光は鋭かった。
「お前もう少し愛想よくしろよ」
呆れたような声を出す美丈夫(音柱)を彼女は睨み上げる。
「いつかその顔面ぶん殴ってやる…」
「女装させられたぐらいでなに本気でキレてやがる」
「大丈夫だA!凄く可愛いぞ!!」
「…」
「なにちょっと照れてやがる」
「やっぱ今ぶん殴ってもいいっスか宇髄さん」
実を言うと、Aも炭治郎ほどではないが色々意識していた。
急に抱き締められたんだもの。そりゃそうよね。
不機嫌と羞恥が入り混じったもやもやを抱えたまま、最初の目的地に向かう。
「ねぇあの男の人カッコよくない?」
「まぁほんと。男前ね」
「…ちッ」
遊郭に入った途端からこれだ。
すれ違う人達皆音柱を振り返る。
「どうもー」
それにまんざらでもない奴が気に食わない。
いいな顔がいい奴は。羨ましいなこんちくしょう。
「大丈夫だぞA!お前も綺麗な顔をしている!」
匂いで察した炭治郎がにっこにこで褒めてくる。
対する彼女は「…お前も、」と答えるのが精一杯だった。
「ちょっとあの子も…ひっ」
反対に、無遠慮にAに近付こうとした女は彼女と目があった途端に逃げていく。
今となってはもう完全に眼力が殺し屋に変貌している彼女は誰も寄せ付けない。
Aは今とっても機嫌が悪いのである。
「おい、お前これで何人目だ」
「十二」
「数えてんのかよ」
「あ、ときと屋ここっスね」
「無視すんじゃねぇよ」
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作者名:名梨 | 作成日時:2020年1月18日 18時