期限付きで家事代行いたします。【櫻井孝宏】

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その時、ふと思い出したことがあった。



……これ、夢なのか現実なのか……わかんない、けど、

私、櫻井さんにめちゃくちゃ恥ずかしいこと……言った……？？



思い出したのは、私が櫻井さんに甘えていたこと。

細かいセリフなんかは覚えてないけど、とにかく頭を撫でてほしいと言ったことは記憶にある。




『(え、待って？これ現実だったら相当やばい……！！)』




いや、でもまだ現実と決まったわけじゃない。
櫻井さんに確かめないとわかんない……うん、夢だと思いたい！！！


私はベッドから降りると、静かにリビングの方へと向かった。





ーーーーーーーーーー





そっと音をなるべく立てないようにリビングへと足を踏み入れると、ソファから少しはみ出た足が見えた。




『(あぁ、やっぱり櫻井さんをソファで寝かせてしまっていた……)』




罪悪感でいっぱいになりながらソファを覗くと、少し狭そうに眠っている櫻井さんの姿があった。


私は櫻井さんの横にちょこんとしゃがみ込んだ。

眼鏡を外したお顔は初めて見るけど、薄らと二重の線があるから奥二重だったのか、とか。いつもセットされてる髪型しか見たことがなかったから、何もつけていない自然な姿に少しキュンときたり、

櫻井さんに申し訳ない気持ちもいっぱいだけど、あまりマジマジと見ることのない櫻井さんをここぞとばかりに観察してしまった。




「……………そんなに見られると、恥ずかしいんだけど」


『うええぇぇ！！びっくりしたあ！！！』




鼻がスッとしてて綺麗な顔だな〜と近くでまじまじと見ていたら、突然櫻井さんの目が薄らと開かれてめちゃくちゃびっくりして、驚きすぎて思わず後ずさってしまった。




『おお、起きてたんですか！？』

「そんなに見られたら起きちゃうよ笑」




クスクス笑う櫻井さんはソファから静かに起き上がり、私と目が合うも、少し気まずそうに目を逸らした。


……え、やっぱり私、かなりやばいことしたんじゃ……



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