期限付きで家事代行いたします。【櫻井孝宏】

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「それでね、ちょっとした事故で骨折しちゃった人がいてね、わりと長期休暇になるみたいだから、代わりの誰か探してたんだよね」


『ええ、』


「その人もある一件のお家しか行ってなかったから、覚えることも少ないと思うよ」


『え、ちょちょちょ、あんたの会社のバイトってもしかして……家事代行の方！？』


「え？そうだよ？」


『てっきり会社の事務とか雑用のバイトかと……いや、家事とか無理無理！！やったことないし！！』


「誰だって最初は初めてだから大丈夫でしょ！あんただって何年一人暮らししてんのよ、多少の生活力はあるでしょうよ」


『そんなの人並みだよ〜！それに一件のお家だけって……それって専属だったってことでしょ？気に入られてたんじゃないの？』


「んー、まあ変更言われたこともないし、仕事ぶりは気に入られてたんじゃないかな？でもそういうわけじゃないよ。個人情報にもなるし、働くって言うなら説明するけど」


『え、え〜……菜緒が言ってくれるってことは、私でも大丈夫だから……だよね？』


「もちろん！それに変なお客さんじゃないから紹介してるんだよ！」


『………前の人が復帰するまでだよね、わかった、やってみる！！』


「よっしゃ！ありがとう！！助かる！！！」





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というわけで、今私は爽やかな朝10時に菜緒に教えてもらった住所で辿り着いたどでかいマンションを見てビビり散らかしてるところです。



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