呪われたゲーム【文スト】 (ページ8)

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「…えぇ」

中島さんはピエロが歩いて行ってしまった方向をジッと見つめる。

何かがいるかのように。

「(…可笑しい…あんな簡単に諦めるか…？明らかに僕達がいることを分かっていたはず…)」

「見ィつケた♡」

後ろから不気味な声が聞こえる。

バッと振り返った。

そこにはケタケタと笑う不気味なピエロが。

私たちはジャンプをしてピエロから距離を取り、そしてナイフを構えた。

『ッ異能力蝶舞！』

「ッ異能力月下獣！」

私たちは同時に口を開く。

が、異能力は発動されない。

っなんで…！？

死ぬわけにはいかないので私はダッと地を蹴り一気に間合いを詰めナイフを振り首を掻っ切った。

＿ゴンッ

ピエロの首が落ちる。

『行こう、中島さん』

返り血が頬に付いた。

「ﾋﾋｯ」

特徴的な笑い声。

後ろを振り返る。

『ッなんで…！？』

そこには胴体と頭がおさらばしたはずのピエロ。

落ちた頭。口をニィとあげこっちを見て笑っている。

首からは血が噴き出し雨のように浴びる。

胴体はドンッと犬のように地に這いつくばりブリッヂをする。

ブリッヂをした状態で動き私たちを追いかけ始めた。

茫然としている私の腕を取り背中を押されたように中島さんは一気に走り出した。

10分くらいたっただろうか。

もう逃げすぎて時間の感覚が分からなくなってきている。

後ろを見ればまだ追いかけてきているピエロ。

「っこっち！！」

中島さんはそう言うなり私の腕を思いっきり引き、角を曲がる。

そしてその先にあるトイレに駆け込んだ。

息を殺し、ピエロがこっちに来ないのをひたすら祈る。

「こっチかナァ？いヤこっちカァ？」

ギシ、ギシ。

何かが歩く音。

窓の外を見れば外は曇り。雨が降っているようだ。

「…、Aさん…」

中島さんがこっちを見つめてきた。

「…」

するりと私の手を取り自身の頬に手を当てた。