彼らの変わった友情関係.6 ページ12
「二人ともお疲れ！」
「お疲れ様。谷裂君、残念だったねぇ」
「……どうも」
用意していたタオルと水を二人に渡す。ニコニコと笑いながら声を掛けてくる軟上さんに、谷裂は露骨に顔を顰めながらも、小さく礼をした。
「さてと。このままAちゃんと一晩中愛を語り合うのもいいのだけれど、そろそろ君達、夕食の時間じゃないのかい？」
『『「「あっ！」」』』
白熱し過ぎてすっかり時間を忘れていた。軟上さんに挨拶をして、足早に訓練場を去って行く獄卒達。
結構な人数がいた訓練場は、あっという間に私達四人だけになった。
「俺達も行くか」
「そうだな」
「じゃあ軟上さん、お疲れ様でした！」
ぺこりと頭を下げる。軟上さんはクスクスと笑うと、悲しそうに自分のお腹を押さえた。
「お疲れ様。僕もお腹すいたし行きたいんだけど、肋角に呼ばれてるんだよねぇ……はぁ」
軟上さんが閻魔庁から帰って来てまだ一週間程度しか経っていないが、どうやら肋角さんにかなりこき使われているようだ。
あまりにも可哀想だったので、ポケットに入っていた飴を軟上さんに差し出した。
「あの、飴しか持っていないんですけど、よければどうぞ」
「え、いいのかい？」
「勿論です」
「ありがとう！Aちゃんから飴を貰えるなんて……ふふふふふ、肋角に自慢してやろう」
一気に上機嫌になる軟上さん。良かった、予想以上に喜んでもらえたようだ。
「では俺達はこれで」
行くぞ、と不機嫌そうな谷裂に声を掛けられる。慌てて二人について行こうとすると、軟上さんにグイッと腕を引っ張られた。
「どうしたんですか？軟上さん」
「あの二人、変わってるねぇ」
「……？獄卒は全員変わってる気がしますけど」
私の返答に、軟上さんは爽やかな笑みを浮かべながら「違う違う」と首を横に振った。
「そうじゃなくて、あの二人の関係だよ。ライバルと言うには語弊がある気がするし、仲良しというにはこれまた違う気がする」
変わってるねぇ、と軟上さんはまたクスクスと笑った。残念ながら、私にはイマイチ意味が分からない。
どういう意味が聞き返そうとした時、廊下から斬島の私を呼ぶ声がした。
「あっ！じゃ、じゃあ失礼します！」
再度軟上さんに礼をして、慌てて訓練場を出る。訓練場を出る時、楽しそうな軟上さんの呟きが聞こえた。
「ーーーー本当、変わってるよ」
-終わり-
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akane(プロフ) - 鬼徹とのコラボストーリーが面白かったです。(⌒‐⌒)続きが気になります。( ´∀｀) (2017年1月16日 20時) (
レス) id: 1b44bb0a87 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - 名無しさん» 楽しんでいただけたようで嬉しいです！田噛はどうしてもツンデレになっちゃうんですよねぇ……。いつかはツン:デレ=3:7くらいの話を書きたいですww 応援ありがとうございます！更新頑張ります！ (2015年4月29日 21時) (レス) id: f152ab1d97 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - コメント失礼します！今日初めて拝見しましたが、一気に読んじゃいました！田噛くんのツンデレ具合が好きです。更新、楽しみにしています！ (2015年4月29日 19時) (レス) id: 31c782cab8 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - 蓮水さん» 可愛いですよねー(´ω｀)まさかこんなにあずにゃんについてコメントが来るとは思いませんでしたがww (2015年3月21日 22時) (レス) id: f152ab1d97 (このIDを非表示/違反報告)
沫村 - 紅月さん» 成る程、それは分からなくはないですね^^ (2015年3月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 992fc19708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅月 | 作成日時：2015年3月6日 16時
