＊昼寝(番外編) ページ26
俺はとある部屋へと向かっていた。
とある、とは言わずもがな、Aの部屋である。
理由は簡単。仕事人間なAを驚かすためだ。というか、怒った顔を無性に見たくなってしまったのだ。なぜか。可愛いからだ。
曲がり角を曲がるとAの自室。
閉まっていた障子を開けて、俺は静かに部屋を覗き込んだ。
「……寝てんのかィ」
Aは、真ん中辺りに位置する机近くで横になっていた。すーすー、と規則正しい呼吸音が微かに聞こえてくる。結構深くまで寝ているらしい。暖かい風に眠気を誘われたのだろう。
机には書きかけの書類が重なり、筆記用具と眼鏡が並んでいた。
「大胆すぎんだろィ……！」
片方の手の平で顔を覆った。次いでため息が漏れた。
かなり度胸がある。男ばっかの屯所で堂々と昼寝なんて。もし襲われたらどうすんでィ。
俺は障子をしっかりと閉め(ここかなり重要)、Aの側に座った。
いつもの大人びた姿とは違って幼く見える。当たり前だ。こう見えてまだ十八なのだから。眼鏡無しってのも悪くない。
よく見ると、寝るためか髪をほどいていた。見るだけでさらさらしているのが分かる。日の光を反射して天使の輪ができている。痛んでいない証拠だ。
起こさないようにそっと髪を撫でた。思ったより柔らかくて、いい匂いもする。柑橘系の爽やかな香り。
「……お」
Aが寝返りをうった。さっきまで俺に背を向ける形だったが、今度は俺の方を向いた。手と手を合わせ、まるでアニメのような寝方をしている。可愛い。可愛すぎる。
俺はAの横に寝そべった。
ほんのり赤い頬が俺を誘っている気がした。その誘惑に耐え切れず、俺はAの頬に口づけした。
一瞬動いたものの、完全には起きなかった。何とも無防備だ。
向き合って寝っ転がっているから、起きたらびっくりするだろう。
額と額をくっつけてみる。それでもなお、Aは目を覚まさない。
……これ、今キスできるんじゃねェか？
思い立ったが吉日という。善は急げともいう。お姫様はキスで目覚めるともいう。
Aの後頭部に手を添えて、唇をAのに近づける。
何だか卑怯な気もしたし、ちゃんとしたいってのもあったが、少し開いた唇が色っぽく見えて、止まらなくなった。
その時。
スマホのアラームが鳴り響いた。
あ、やべ。
そう思った時にはもう遅い。
「ん……きゃああああああ!!!!」
一瞬で覚醒したAは、俺を思いきり突き飛ばした。
＊＊＊＊＊
続きますたぶん！
続く
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白桃餅子 - マリーナさん» こちらこそ初めまして！ ですよね、沖田くんかっこかわいいですよね！ ゆ、夢主と一緒ですって！？ おめでとうございます！！（？）いいなあ……一緒だなんて……！ あ、返信遅くなって申し訳ありませんでした。 (2018年8月12日 19時) (
レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
マリーナ - はじめまして！沖田くんがかっこいいし、かわいい！しかも夢主ちゃんと誕生日、血液型が一緒！ (2018年7月15日 14時) (レス) id: 05439fd47e (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - Sakurairoさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ 確かに沖田くん可愛いですよね。書きながら悶えてます(笑)応援もありがとうございます！ テスト頑張ってきます……！ (2018年5月6日 14時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
Sakurairo(プロフ) - 面白いです！！沖田君の１つ１つの行動が可愛くて！ 更新待ってます！テスト勉強頑張ってくださいね！！ (2018年5月5日 17時) (レス) id: 5935e5da26 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - 林檎はいつまでも……さん» いつもありがとう！ ドキドキしてくれたら本望ぜよ。 (2018年5月4日 12時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桃餅子 | 作成日時：2018年1月14日 17時
