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第181話 陰陽の王5 ページ39

ぺいんと「ユウキ君大丈夫?」

ユウキ「え、あ...動ける、大丈夫です」

いつの間にか俺の体は自由がきくようになっていた

いやいつの間にかと言うかきっと...


魔法をかけていた本人が戦意を無くし

後退り、ぺいんとさんを見たまま動けずいるからだろう

まぁこうなっていなくても
魔力の大多数奪われた俺は既に戦闘不能だけど


ぺいんと「ダーク」

ダーク「っ、なん...だよ」

双方の目が交わされる

ぺいんと「君がただの影じゃなく"ダーク"として現れるのは日常国ができた頃の騒動の時に許可したよね」

ダーク「わ、悪かった、大人しくす、するからよ」

悔しそうに顔を背けるダーク

ぺいんと「流石に客人を傷つけるのは見過ごせないし、ましてやユウキ君だよ?許せないよ」

そこにゾワリと背筋が凍る程の殺気が放たれる

一国の王だけあって、とてつもない気迫だ


ぺいんと「ねぇダーク、そんなに本物[僕]になりたいの?」


その言葉に、何故か俺は違和感を覚える

『完全に』彼はそう言っていた

それがぺいんとさん本人に成り代わる為だったのならば

俺の魔力でなく
ぺいんとさんの魔力を奪えば良かったのではないのか?

成り代わる、つまり彼を消したいのならそれがいい筈だ

なら...何故?

ユウキ「あの((ダーク「違うっ!!」

光の宿らない黒い彼が叫ぶ

ダーク「俺は、俺はっ!お前の塞ぎこんだ負の感情が作用して生まれた人格だ!影として!!でも、だから、俺が!完全になって、お前を苦しめるものを全部無くしてやる!」

ぺいんと「ッ....!?」


ダーク「そうすれば絶望[俺]が生まれることも、無くなるだろう?」

黒い彼が、ダークが、苦しげに笑う

その顔が、その闇に、酷く、既視感を覚えて

彼を、抱き締めていた






 

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作者名:夜月ルナ | 作成日時:2020年3月23日 18時

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