異種族の国の中枢神経【実況者】四 (ページ40)

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第182話　陰陽の王6 ページ40

ぺいんとside

ﾀﾞｰｸ「は...？は、離せ」

ﾕｳｷ「いや、です」

ぺいんと「ゆ、ユウキ君！？」

きっと動くのすら辛いだろうに、ユウキ君はダークを抱き締めて離さない

なんでそこまで....

ﾕｳｷ「優しい、じゃないですか...魔力、返してもらおうと思ったのに、奪い返せない、じゃないですか」

はぁーっと、ユウキ君が溜め息をつく

吐いて息を吸ったその瞬間、ブワリと

赤と黒の美しい透明な花弁が舞う

ぺいんと「へ？」ﾀﾞｰｸ「え？」

ﾕｳｷ『想いを固めて夢に、夢を固めて花に、花を固めて名付けよう、花に体を与えよう』

呪文、魔法の呪文だ

聞き取れたのはそこまでで、最後に何語かもわからない呪文を呟いて

ユウキ君がそっと、ダークから離れる

ﾀﾞｰｸ「え、ぁ...」

驚いて自分の手と俺の顔を交互に見るするダーク

ぺいんと「おま、え、光を」

驚いて僕は溢す

ダークは元々影、だからこうやって現れても光がその瞳に写ることもないし

その僕に瓜二つだが色の違う髪も、瓜二つな手の爪さえも

光に輝くことがなかったのだ

なかった、のに

ぺいんと「ユウキ君、何を！？」

ﾕｳｷ「え、あの...思い出した呪文を、使っただけだったんですけど、成功したみたいで！よかった」ﾆｺｯ

そう言って微笑む彼が言うには今の魔法は

形に魂を宿すネクロマンサーの逆
魂に肉体を与える様な魔法だと言う

ﾀﾞｰｸ「お、まえ、思い出しで、こんなヤバい魔法使ったのか！？」

ﾕｳｷ「は、はい、パッと頭に浮かんだ魔法がこれで」

ﾀﾞｰｸ「お人好しすぎるだろ、馬鹿が」

ﾕｳｷ「な！ヒトが折角悪魔の慈悲あげたのに馬鹿はないでしょう！」

ぺいんと「悪魔の慈悲ってなに...w」

思わず笑えば、つられてユウキ君も笑う

それにつられて

ﾀﾞｰｸ「ふっ、はははw」

ダークも、笑ったのだった
　
　
　
　

　