第120話 悪夢の花園27 天邪鬼の空間 ページ24
そうならめっちゃいい人じゃん...なんかイメージとちが...
チーノ「ユーウキ」
ユウキ「ひゃあっ!?」
急に今のチーノくんが
俺を後ろからギュッてするもんだからビックリした
チーノ「オレンジ髪の女の子の言うことは本当なんや、ここ意識世界やけど、ユウキ触ったときの感触がある」
ユウキ「あ、うんその通り、だから、助けに来たよ?」
チーノ「ようわからんでこまっとった、ありがとう」
ユウキ「うん、ねぇ...チーノくんあの人だぁれ?チーノくんの過去、俺も知りたいな?」
今までの感じからして、きっと俺が
本当に過去を理解して、本当の意味で彼を救うことで
花畑に空間が移る
グルさんとトントンさんと
俺が来たという事実だけで安堵したゾム以外大抵そうだった
チーノ「なんで?」
ユウキ「知って、貴方がここから出たいって思えるように、俺が何か出来るならしたいの、だってチーノくんここから出たくないって思ってるでしょ?」
チーノ「ッ...」
焦ると黙るようで、俺を抱き締めるのをやめて
キュッと唇を結んで黙ってしまう
オレンジの瞳は輝きを更に失ってしまう
ユウキ「ねぇお願い、普通に俺も知りたいし」ニコッ
そう言って微笑むと
チーノ「ぅ、わ、かった...」
笑顔ズルいわ、と一言呟いてチーノくんが過去の景色に目を向ける
チーノ「あの人は瓜子姫、大昔にこの村で俺が生まれた理由になった出来事の被害者の子孫」
ユウキ「チーノくんって、親から産まれたとかそういうのじゃなくて」
チーノ「魔物とかに近くって、人間の欲と恐怖が鬼の肉体を型に具現化した感じや、そもそも親という概念がない
『鬼が家から出るなと言いつけられた美しい女を騙して連れ出して拐う』って噂して、恐怖を起こして、鬼のせいにして女を拐った輩がおって、そいつの欲と女の恐怖と呪いで俺は産まれた」
ユウキ「拐われた女性がどうなったかは、子孫がいるということから察するけど嫌だね」
チーノ「まぁな、んでまぁ何代目か忘れたけど瓜子姫の名を継いだ中でもあの人だけが、俺に願いを持ちかけてきた」
ユウキ「願いを?」
チーノ「そ、村が取り壊されるのが嫌で今の形の村で終わりを迎えたいって言ってきてな?直ぐに殺そうかと思ったけど、案外おもろくってな...誰かの為に嘘つくのが」
ユウキ「詐欺師...」
チーノ「うるさいわ、でもまぁ俺は結局、瓜子姫も騙して終わりやったんやけどな」
景色が動く
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作者名:夜月ルナ | 作成日時:2020年1月23日 9時