異種族の国の中枢神経【実況者】三 (ページ25)

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第121話　悪夢の花園28　天邪鬼の空間ページ25

ﾁｰﾉ『いいか？瓜子姫、この村から、出ないでや？そうすれば貴方の望み通りになるからな』

瓜子『...何処かへ行くの？』

ﾁｰﾉ『...きっと帰るから』

瓜子『そう....いってらっしゃい』

瓜子姫が微笑んで、家の扉は閉じられる

"昔"のチーノくんは苦い顔をしたあと

そっと村の門から外へ出る

ﾁｰﾉ『邪な奴等は入れぬよう望む者以外入れないように永遠にここを呪う...姫は永遠にここの主だ、死なぬ君には箱庭がお似合いだ』

村を一瞬、赤黒い煙が包む

"昔"のチーノくんは煙が薄らぐのを見て、立ち去る

ﾁｰﾉ「アイツの願いは、あの形の村で生きたかっただけなんだ...だから俺は自分の不死身の呪いも分けて、黙って呪って騙して消えた...」

ﾕｳｷ「チーノくん、今いくつ？」

ﾁｰﾉ「さぁ？わからんねん、それが」

暗いかおをする彼の手を握って俺は笑う

ﾕｳｷ「不老不死？ってことは、これからもずっっと一緒にいられるってこと？それって素敵、俺は死ぬまで愛して貰えるじゃん」

ﾁｰﾉ「へ？」

ﾕｳｷ「そもそも、異種族は寿命長いし...ふふ、ずっっと一緒かぁ～普通に嬉しい」

笑う俺を驚きの目で見たあと

ﾁｰﾉ「ユウキって、ズルいわ」

そんな言葉と共に笑うオレンジの瞳は輝きを取り戻して

世界はホオズキの花畑へと変わる

　