異種族の国の中枢神経【実況者】三 (ページ3)

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第99話　悪夢の花園6　魔族の空間ページ3

ﾕｳｷ「ッ、あれ？」

光を抜けると二人がいない

そして映し出されているのは何処かの王宮のような場所

ﾕｳｷ「なんで俺だけ？」

先程が異例だったのか、俺だけが空間の内

過去の記憶のなかにいるようだ

『無能ね』

ふと横にあった部屋の扉の隙間から声が聞こえる

そっと中を覗くと、見慣れた青っぽい黒髪の男性が

同じく青髪の女性に叱られていた

『この位の魔法もできないの？』

「違う、違うんや母さん、詠唱は覚えてるし、でも...」

『何が違うの、あなたが世継ぎなんて、あぁ...この国はどうなってしまうの...』

言動から察する、この人は女王なのだろう

ならあの人は、鬱先生は、王子だったのか！？

「っ...その事やけど、僕は後継がんよ？弟に譲る、やから...」

『それでも、次の戦には出てもらいますからね』

「ッ、それだけは...！」

男性が...鬱先生が焦った声で言うと同時に

光景は切り替わる

それはそれは、凄惨な光景へ

ﾕｳｷ「ｯ、ぅ....」

思わず口を塞ぐ

先程いた場所であろう城を破壊するモノ

巨大で醜悪な魔獣...いや

あれは、邪神だろう...

辺りを見ると城下町の端のようで

避難した人々と、兵士達が絶句している

と、先程の女性が鬱先生の肩を揺さぶっているのが目にはいる

『何をしているの！！あれを！はやく召喚の解除を！』

そう急かす女性も俺も、鬱先生の顔を見て言葉を失う

「ッ、ハハハハハ...ざまぁみろ」

鬱先生は笑っていた

心底楽しそうに、笑っていた

ふと、嗅ぎなれた煙草の香りがする

そうだ、これは記憶、なら俺たちと同じくここに

"今"の鬱先生が居るはずなんだ

ﾕｳｷ「鬱先生！？」

鬱「ッ？ユウキ？」

驚きの声が聞こえたほうを向けば

いつもより顔色の悪い彼がいた

　