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第110話 悪夢の花園17 蛇の空間 ページ14

ユウキ「また...」

一人、記憶の空間にほおりだされた

次は誰の記憶なのか...

俺はあまり悲しいというか、ああいう、感情はわからない

から、思ったことを言っていっている

だからなんというか我ながら

恥ずかしくなってくるんだよなぁ

なんて考えながら

廃れたスラム街の様な場所を眺めていると


『おい!逃げるぞ!』

『アイツが来るぞ!』

『くっそ、ここはアイツの縄張りじゃねぇだろ!?』

『とにかく逃げるぞ!』

チンピラかなにか、ここの住人らしい青年たちが逃げていく

彼らと逆方向に進んで、街の角を曲がって

その先を覗くと、それはそれは、凄い光景で


ユウキ「ッ、ハハ」

思わず苦笑してしてしまう

これはもう笑うしかないだろ...


見慣れたオーカー色の髪色、ペリドットの様な瞳の彼が

逃げ遅れた人を惨殺し、血祭りにあげている

そこから食料と、殺した人の肉を切っていっている様は

確かに恐ろしいかもしれない


ふと、泣き声が聴こえてハッとして

"今"の彼の姿を探すと、建物の影に彼を見つける

ゾム「グスッうぅ、ぅ」

泣き声が耳に届く

気づけば俺は走り出していた


確かに俺は、皆が好きだ

あんなに愛されてスゴく幸せで

でも、俺に初めて優しい紅い目を向けてくれたグルさんと

血濡れた俺に恋してくれたゾムは

約束道理、特別なんだ


ユウキ「ゾムッ!」

ゾム「っ、グスッ、ユウキぃぃ!!」

子供のように号泣しながら

俺に抱きついてくる彼を抱き締める

ユウキ「ゾム、大丈夫?ちょっ、どうしたの?!」

ゾム「怖かってん、ヒック、目を覚ましたら一人やし、ようわからん、嫌な記憶見せられて、独りぼっちで悲しかった頃思い出すし」

ユウキ「ッ、ゾム?」

ゾム「また....一人に、なったんかって、思って」

俺の胸に顔を埋めたまま泣く彼の背をゆっくりさする

ユウキ「大丈夫、大丈夫だよ...もう一人じゃないし、もうこんな所に一人にしないから」

ゾム「ッ、ホンマ...?」

ユウキ「ホンマ、だよ」

ゾム「ん、そっかぁ...」

顔を上げたゾムは、ニッと歯を見せてぎこちなく笑う

ゾム「ありがとうな」


空間は、紫と黄色のヒヤシンスの花畑に変わる


 

第111話 悪夢の花園18 蛇の空間、花→←第109話 悪夢の花園16 小人の空間、花



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作者名:夜月ルナ | 作成日時:2020年1月23日 9時

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