名前呼び ページ3
「じゃあ森さ、鴎外さんいってきますね。」
「...いい加減慣れて欲しいなぁ。」
玄関先、不満げな顔で苦しいくらいぎゅうっと抱きしめられる。やめなきゃと思っていてもどうしても森さんって呼ぶ癖が抜けない。彼が小声でボソッと呟く。
「夜はあんなに呼んでくれたのに。」
「嗚呼もう、いってきます!」
「いってらっしゃーい。」
今日は休みの彼がにこやかに送り出す。出かける直前にああいう発言は良くないと思う。真っ赤な顔で何処かに行くのは嫌なんだ。脳内を切り替えるように頭を振って訓練所に行く。
「紅葉さん、遅れてすみません。」
「よいよい、時間通りじゃ。」
やっぱり立場上自己防衛はできなくちゃならないと、色々教えてもらっている。全身痛くなることも少なくないが必要なことなので仕方ない。今日も無事に訓練を終えて帰宅すれば森さんが迎えてくれる。
「おかえりA。」
「ただいまですー。」
「怪我はして...いるね。」
彼は顔のかすり傷やらを見て猫を撫でるような感じですりすりと撫でた後、私の服をめくって体の傷を確認しようとするので全力で服を抑える。
「玄関!!ここ玄関です!!」
「じゃあ、居間に行こうか。」
ひょいと私を持ち上げて居間に連れて行かれ、ストンとソファーに降ろされて、診察される。なんとなく触り方が診察のそれじゃない気がする...。
「うん、大丈夫なようだね。君がいなくて寂しかったよ。」
「1日中エリスちゃんと遊んでたんでしょう?いいじゃないですか。」
「それはそうだけどぉ。」
何故か拗ねる鴎外さんの頭を撫でていれば、胸に顔を埋めてくる。突然のことでひゃっと声が出てしまえば、彼は満足そうな声で唸る。
「鴎外さん分かりましたから、ストップ!!」
「Aはこうなると直ぐ名を呼んでくれるね。」
「反論できないのが悔しいです...。」
「また、たくさん呼んでくれると嬉しいな。」
「善処します...。」
Aは鴎外さん呼びを手に入れた!
文才が足りないですがやりたかったのです。夜のことをふんわりぼやかす描写の練習も兼ねて...。
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茶々 - 森さんすごく大人っぽくて、夢主ちゃんとエリスちゃんと優花ちゃんが可愛すぎて…。面白かったです!更新頑張ってください! (2019年12月31日 20時) (レス) id: fc99185244 (このIDを非表示/違反報告)
蝶々(プロフ) - ウミソラさん» こんばんは!同じく期待して待ってる蝶々です!いつもリクエストありがとうございます!! (2019年7月7日 0時) (レス) id: e315375680 (このIDを非表示/違反報告)
蝶々(プロフ) - 零さん» 反応遅くなって申し訳ないです( ´・ω・`)了解致しました!! (2019年7月6日 23時) (レス) id: e315375680 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 蝶々さん» こんばんわ!!文スト終わってしまった(つд;*)・・・と言う訳でリクエストお願いします!!!共喰いでウイルスにかかった森さんにずっと寄り添う話と、娘ちゃんが中也の異能で遊んでもらっている話をお願いします!!!そして続編が放送されるのを期待します!!! (2019年7月1日 15時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 罰ゲームで、メイド服を着せられた、をお願いします!お付き合い中と結婚後を書いて頂けると嬉しいです!お願いします (2019年5月20日 20時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶々 | 作成日時:2018年8月10日 16時