守備範囲外でも愛してる【文スト】

●嫉妬 ページ13

カプチーノさんリクエストです！本編でも書いたけど好きだからいい！！楽しい！！婚約前！
太宰さん出してみようチャレンジ。




久しぶりに1人で買い物。のんびり歩いていると砂色の外套を着た包帯だらけの男性に声をかけられ、手を握られる。

「もし、そこのお嬢さん。私と心中していただけませんか？」

「心中ですか？」

首を傾げれば脈アリと思われたのか、男性は笑って頷く。普通は此処ではぁ！？となって振るのだろうけど、流石に死を求めている男性を止めない訳にはいかない。

「えーと、心中もいいですけどお茶しませんか？」

「積極的なお嬢さんだね。いいね、お茶しよう！」

恋人がいる身だけど、この場合は許されるはず...。ごめんなさい森さん、人命がかかってるんです。心の中でそっと謝りつつ男性とカフェに入る。

「私は太宰治。お嬢さんのお名前は？」

「私は中村Aです。えっと太宰さんはどうして心中したいんですか？」

「うーん、どうしてだろうねぇ。」

「教えていただけないんですか？」

「だって、Aさん恋人がいるんだろう？」

「分かるんですか？というか分かってて誘ったんですか...。」

「いや、今さっき気づいたんだ。此処に入る時申し訳なさそうな顔をしていたからね。」

やっぱり顔に出やすいのかな...。思わず眉をひそめ、顔を触ると太宰さんがケラケラ笑う。ええ、そんな面白いかな？

「面白い人だなぁ。今日はAさんに免じて心中はやめておこうかな。同僚に見つかってしまったようだし。」

ちらっと窓の外を見る太宰さんの目線の先には白い髪の真面目そうな少年がこちらを見ている。あれは、苦労人の顔だ...。頑張れ少年。

「心中なんてするものじゃないですよ。太宰さん、怪我もたくさんしてますし気をつけてください。看護師からの忠告です。一応、心に留めておいてください。」

立ち去ろうとする彼にそういうと、お返しと言わんばかりにこう言った。

「じゃあ私からも忠告。恋人がいるのに男をカフェに誘うような真似をしない方がいい。君の恋人はとても独占欲が強いと思うしね。じゃあね！」

彼がぼそっと小声で『森さん』と言ったことに私は気づかなかった。でも、単純に男性とカフェで2人きりはまずいかなとは思った。仕事で中原幹部との前科もあることだし。こういう事への学習能力がないのかな。

文字数！続きいきます！

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