心理的背理法(1)-Ⅰ (ページ21)

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「もうみんな寝室に上がったよ。螺旋階段の上の方だ、登れるかい？」
「平気です、おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」

私のベッドは、幸いにもいくつかある女子寮の一番下に見つけることが出来た。
部屋の明かりは既に落とされていて、私は静かに空いているベッドに腰を下ろした。

ローブと制服を脱ぎ、トランクケースの中からパジャマを
引っ張り出して音を立てないように着替えてから、すぐにベッドにもぐりこんだ。

かすかに聞こえる寝息で、もう皆寝ていることが分かった。私も眠ろうと目をつぶるが、歓迎会でのことばかりが真っ暗闇に浮かんでは消えていく。

時計はもう23時を回っている。
頭の中を空っぽにしようと、何度も寝返りをうつ。

「寝ないと」

無理矢理言い聞かせて、しばらくしてやっと眠りに落ちた。しかし、その夜見た夢は最悪で、何度も私を目覚めさせた。

父や母、兄が周りを囲み、私に絶縁を迫る。
かと思えば、グリフィンドール生たちが私に出て行けと
詰め寄り、果てにはダンブルドアに退学届を突きつけられ、私は本当にホグワーツから出ていくことになるのだ。

何度目が覚めて、再び眠りについても同じ夢は繰り返された。結局、まともに眠れないまま翌朝を迎えたのだった。