検索窓
今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:23,788 hit

△嘘はいつか必ずバレる ページ3

あれから、Aはいつも通り、
何も無かったように接してくる。

最初は俺もどんな顔をして対応すれば
良いのか正直迷った。

でもAは、忘れたそうな顔をしていた。
だから俺も出来るだけいつも通りを装った。

でも本当にそれでいいのかと、さっきから
自問自答を繰り返していたところだ。


「ったく、どうしたもんかねぇ」


誰もいない屋上で、ストローを加え一気に
吸い上げる。

フェンスを肘について、遠くを見ていれば
高さがバラバラの建物が並んでいる。

特に思うことは無いが、その景色が少しだけ
懐かしく感じる自分がいる。

まぁ、どうでもいいのだが。


……そういえば、アイツ学校来れないとか
言ってやがったな。

あれはどういう意味だったのだろうか。
言った本人は、少し悲しそうな顔をしていた。

もしかして、留学に行く決心がついたとか?

いや、それならもっと明るい顔で言って
くれたはずだ。

俺は首から頭をガックシと落とし、片手で
前髪をかきあげた。


「わからねぇ」


アイツが何を考えて、何をするのかも。

学校ではそこそこよく一緒にいたと
思っていたが、それだけ一緒にいても
分からない事があるのかと少し悔しくなる。


「……ん、あれは」


下を見たら気づいたが、芝生のところで
Aが一人で座っていた。

……そういや、チャイナと食べるとか言ってたっけ。

しかしチャイナならさっき銀八に
呼び出しをくらっていた。

Aは恐らくチャイナを待っているのだろう、
ただ下を向いて、小さな弁当を見つめている。

どうせあの弁当箱の中身は白米だらけだろうと、
視点をずらしながら覗いて見る。

遠くから見てもわかるほど、やはり中身は
真っ白だ。

フッと鼻で笑っていると、急にAは
顔を上げた。

何だと思っていると、まだ食べかけの弁当の
蓋を閉め、袋から箱のようなものを取り出す。


水筒を取り出して、その箱から取り出した
何かを同時に飲み込んでいることから、

それが薬だということが何となくわかった。


アイツまさか、病気とかじゃねぇよな。


もし仮にそうだとしたら、学校に来れないというのも
入院するから、という理由になる。

冷や汗が首筋を伝った。

段々夏の気候になり始めたのに、
体は冷えた感覚がした。

無性に怖くなったのだ。
Aが俺の隣から消えてしまうことが。


ボーッとしていると、いつの間にかAの
隣にはチャイナが座っていた。

俺はそれを見ると、屋上を後にした。

・→←△夏休み中髪切るんだけど明けたら大体伸びてる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ももりんご(プロフ) - かみゅいさん» わぁ〜ありがとうございます!(><) (2017年2月25日 13時) (レス) id: 694f30da04 (このIDを非表示/違反報告)
かみゅい(プロフ) - 続編おめでとうございます(*´ω`*) (2017年2月25日 0時) (レス) id: 822ee05d7f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ももりんご | 作成日時:2017年2月20日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。