【銀魂3z】ツンデレ転校生と隠し事 (ページ19)

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手術が成功して、検査を終えた2週間後。
私はようやく退院して、今は沖田さんの家に
遊びに来ていた。

『……沖田さん？聞いてます？』

｢あ？……聞いてらぁ｣

私が話をしているというのに、沖田さんは
上の空だ。
肩を叩いてやっと反応したが、恐らく聞いていないだろう。

｢そんなことよりオメェ、もう学校始まってるのに
来ねぇからアイツら騒いでんぞ｣

『無理言わないでくださいよ！もう退学
届けは銀八先生に出し……』

｢あぁ、それなら持ってやすぜ｣

耳を疑った。
持ってやすぜ。の意味が私には理解できない。
沖田さんは立ち上がりカバンの中を漁ると
1枚の封筒を取り出した。

それは間違いなく、一ヶ月前に銀八先生に
差し出したもの。

『な、なんで……』

｢ゴミだからって押し付けられた。だから
これ、お前にやる｣

『それってゴミをあげ回してるだけじゃ！？』

私はバシッと奪い取るように退学届けを
受け取った。

全く、とんでもなく世話の焼ける人たちが
周りにいたもんだ。

仕方ない、明日からまた……学校に行こう。

私は溜息をつきながらも、不思議と頬を緩めていた。

〇

｢A～！！｣

久しぶりの教室に入るなり何なり、
飛びついてきたのは神楽ちゃんだった。

神楽ちゃんは私の首に腕を巻き付け
ここぞとばかりに力を強めてくる。

『神楽ちゃん苦しいよ～』

｢許すネ！ずっと待たせてた罰アルゥ～！！｣

私たちの様子を見て、後ろに立っていた
沖田さんはフッと鼻で笑った。

｢おいクソチャイナ、そいつは俺のモンだから
気安くさわんじゃねぇぞ｣

｢あァ！？オメーなんかにAを
渡さないアル！｣

『あ、あはは……』

まぁ実際沖田さんのモノでもなんでもないし
神楽ちゃんが正しいと言えば正しい。

｢神楽ちゃんも沖田さんも、Aちゃんが
学校に来るのを楽しみにしてたのよ｣

『そうだったんですかぁ？』

私はニヤニヤしながら沖田さんを見る。
沖田さんは一瞬動揺したようにも見えたが、
さすが冷静を保ったまま私の頭に
一発チョップを入れてそのまま席に座った。

私は頬を膨らませ溜息をつきながら
沖田さんに続いて席に座った。

『また学校に来れて嬉しいです』

｢そりゃ良かったねィ｣

相変わらずの素っ気ない態度。

それにさえときめく私はだいぶ重症なのかもしれない。

二学期は学校の行事も目白押し。
これからどんなことが起こるのか、私の
ワクワクは止まらなかった。