~高嶺の華からの提案~ ページ16
翌日。朝5時にそらるからメールが飛んできて、
「昨日の写真送っとくね」と送られてきた。写真を開くと、昨日のソフトクリーム食べてる写真や映画館の前で撮った写真が。私が泣き崩れてる写真もあったので、早急に消してくださいと送っておいた。
『おはようそらる、朝5時にメールしてこないでね？？』
「あーね、おはよ〜」
『聞いてる？？』
「はいよ」
私は教室に入ると、短い挨拶なのかまあよくわかんないけどをして、早速準備を始めた。と言っても、特にすることは無いんだけど。
？「Aさん、ちょっとよろしくて？？」
やばいやつに絡まれた。
？「今日は随分お日柄がよろしくて。Aさんあなたとわたくしが喋るのは初めてでしたよね？」
どこかのCEOのお嬢様、クラスの一軍。それはそれは美しいような美貌をしている。名前は確か……
私は自分の記憶力の無さに絶望しながら、とりあえず笑顔を作ってみせた。
正直、私なんかが彼女と関わっていいのだろうか。いや、絶対良くない。
でも、断る勇気もないので彼女の話を聞くことにした。それにしても喋り方の癖よ、一時期の私みたいだ。
『そうですね、私に何かご用があるのでしょうか……』
？「もちろん、そらる様についてですわ！」
やっぱり！！そもそも私に注目してる人なんて誰もいないと思っていたので、予想通りすぎて少し笑えた。
？「あの方は本当に素敵だわ……」
彼女はうっとりとした表情を浮かべながら続けた。
？「わたくしの理想の男性像そのもの……あんな方とお付き合いできたらどんなに幸せかしら！」
『へぇ……』
？「なのに！！あなたが付き合っているとは何事？？わたくしへの当て付けかしら！？」
『そういうわけじゃ……』
彼女は聞く耳を持たずに更にヒートアップしていった。
？「とにかく！わたくしは絶対に諦めませんから！！」
『はーい……』
彼女は鼻息を荒げながら、私の元から去っていった。
「どう？モテ期到来？」
後ろからそらるがやってきた。
随分、他人事のように言うよね。
『そんなんじゃないよ、これ面倒くさいね』
「だろ？本人はもっとめんどい」
『お疲れさまです』
「はい、労いありがとうございまーす」
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作者名：小鳥 | 作成日時：2023年7月9日 15時
