【図書館戦争】今日も会いに行きます (ページ6)

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安心してほっと一息ついたが次いつ鳴り出すか分からない。

続きは読みたいけれど一先ず立ち去ろうと思い、この本が置いてあった棚を探そうと立ち上がる。

その瞬間どこからか声がかけられて体がピシッと固まった。

「どうしたの？そんな固まって」

「ああ、小牧さんか。びっくりした」

「そんなにびっくりした？ごめんごめん。もうすぐ上がれるんだけど、お昼一緒にどう？」

「ああ、その提案はありがたいんですけど、生憎手持ちが……」

お金を下ろしにいくのを忘れて財布の中はコインが数枚しか入っていない。

まあカードを使えば払えないこともないが、数百円でカードは使えない。

「いいよ。それくらい奢るから。どう？」

「いや、でも……」

「奢られるのが嫌なら、今度返してくれたらいいよ」

私がなんと言い訳しようと一緒にご飯を食べるつもりなんだなと感じた私は、今度返すことを約束し図書館近くの定食屋へと向かったのだが。

「……」

「……」

「どうしたの？２人とも黙り込んで」

どうしたのと言うのはこちらの台詞である。

堂上さんが来るなんて聞いてないんですが、どういうことでしょうか？という無言の視線を小牧さんに送る。

また堂上さんも何かしらの意味を込めて小牧さんを見ていた。

いや、睨んでいると言った方が正しいかもしれない。

「何食べる？」

知らないふりを決め込まれ、メニュー表を渡されたのでそちらに目を通す。

堂上さんいるとがっつけない…こんなはずじゃなかったのに。

「決まった？」

「ああ」

「……はい」

海藻サラダとうどん。

普段は好んでサラダとか食べないし、肉があればそれを選ぶ。

でも今日、いつも通りに頼む勇気はなかった。

「Aちゃんあれだけで足りる？」

「だ、大丈夫…です」

「……そっか」

微妙な間で私の思っていることが伝わったらしく納得したように少し微笑んだ。

そういえば図書館外で堂上さんに会ったのは初めてだ。

小牧さんは毬江ちゃん込みで会ったことが何度かあるくらい。

こうなるならもっと服装に気を使うんだった……

「そういえば、２人はどこか行った？」

「は？」

「へ？」

「２人で出かけたことくらいあるでしょ？」

ない。

小牧さん知ってるでしょ！？とツッコミそうになるのを抑え、声を絞り出す。