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暫く町人たちとお話していると微かに聞こえる声

みんなを静かにさせジーッと聞いてるとだんだん聞き慣れた声になった



『誰だろう』

町人「トリックとゴールド!」

『……ってことはこの塀の上か。よしっいいこと考えた』



木から降りて塀から十分距離を取る

うん。これなら行ける!



『いいかい!今からとっておきの技を見せてやる。あたしが走りはじめたら階段を登って塀の上に行くんだ。あの2人をびっくりさせてやる!』



勢いよく走りこみ塀に向かって跳ぶ

塀の柵に捕まるとその勢いのまま回り

柵を飛び越え2人の間へ

その間、約3秒ってとこかな



ゴールド「うおっ!!お前どっから来たんだよ!!」

『どこって……あそこから』

トリック「さすがだな。来たついでだ。挨拶してやってくれ」

『ヨーホー!あたしの名前はファンシー。特技は今みたいに壁や塀を使って登ったり跳んだりすることさ。まるで幻をみてるようだからってどっかの国の言葉で「幻想」って意味の「ファンシー」って名前をこのトリックが付けてくれたんだ』

ゴールド「このファンシーはな、トリックが連れてきたやつなんだ」

『そう!あたしの命の恩人だよ』

ゴールド「ちゃんと感謝してるか?」

『してる』

トリック「お前してねぇだろ」

『……今さっき何やってたんだ?』



心の中ではちゃんと感謝してます

態度に出さないだけで

話を逸らせば横からツッコミが入るけど無視



『そういえばラビット達は?』

トリック「ラビット達は……ほら、あの陽気な…」



人混みをよーく見れば仲良く踊っているピーターとラビット

上手いのが逆に腹立つ……



『もう帰るよ』

ゴールド「そうだな。あいつら置いて帰るか」

『はーい、ゴールドパイセン』

ゴールド「先輩、な?」

トリック「俺は?」

『なんて呼ばれたいの?』

トリック「あのガキンチョみたいな言い方をしなかったらなんでもいいぞ」

『じゃあトリック兄さんだな』

トリック「なんでそんなに上からなんだよ」



笑いながらトリックの腰に腕を回せば自然と肩に手が回ってくる

反対の手でピーターの手を引っ張り腕の組めばピーターも嬉しそう

この体勢のまま町人に別れを告げて船へ

チップやシャシャの前だとお姉さんでいたいけど

先輩や同期の前だけでも昔の私に戻っていいよね?

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作者名:ファンシー | 作成日時:2018年12月1日 12時

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