蒼い女海賊 (ページ12)

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その日の夜

いつものように手摺に腰かけて海を見つめていた

海風が気持ちいい。きっと明日も晴れるだろう

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「まだ寝ないのか？」

『ゴールド。これが日課なんだ』

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「知ってる」

あたしの隣に来ると手摺に頬杖をつき同じように海を眺める

何も話さない。でもなぜかとても居心地がいい

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「お前も綺麗になったな」

『本当かい？綺麗はロレッタのためにある言葉だと思ってた』

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「そうか？お前も変わらないぞ？」

『…「綺麗」がロレッタ。「美しい」がジュジュビ。「可愛い」がシャシャさ』

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「じゃあ、お前は？」

『んー……』

？「「華麗」じゃねぇのか？」

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「トリック！起きてたのか」

ﾄﾘｯｸ「気配がしてな」

トリックはこうやってるといつもやって来てくれる

理由を聞けば「気配がしたから」ただそれだけ

ﾄﾘｯｸ「もしくは「可憐」だな。お前の場合」

ｺﾞｰﾙﾄﾞ「どちらかと言うと「華麗」じゃないか？身のこなしがいいから」

ﾄﾘｯｸ「どっちでもいい。そろそろ寝る時間じゃないのか？」

『そのつもり』

降りようとするといつものように「ほら」と手を差し出してくれる

その手に引っ張られ降りてもしっかりと繋いだまま

ゴールドに「おやすみ」と声をかけてその場を後にした

そして気づけば部屋の前

『トリックはなんでいつもあたしを迎えにきてくれるんだい？』

ﾄﾘｯｸ「………さぁな。「反射的に」ってやつだ」

『ふーん…』

ﾄﾘｯｸ「嫌だったか？」

『全然。寧ろ嬉しい。来てくれるって分かってから待つようになった』

ﾄﾘｯｸ「そうか……夜は冷えるからな。暖かくしろよ。じゃあな」

『うん、おやすみ』

あたしの名付け親。あたしの命の恩人。そしてあたしの………

今夜はよく眠れそうだ