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太宰が振り下ろした短刀は、Qを__。
ではなく、木の根元に刺さっていた。
そのまま木を音を立てながら切っていく。
「あ、あれ……殺すのかと……」
ゆっくり目を開ける私に、隣の中也は息を吐く。
「ふん……。
甘え奴だ。
そう云う偽善臭え処も反吐が出るぜ」
「Qが生きてマフィアに居る限り万一の安全装置である私の異能も必要だろ?
マフィアは私を殺せなくなる。
合理的判断だよ」
「……どうだか」
それに、と太宰は付け加えて、にっこり笑顔を私に向けた。
「未だAちゃんは15だよ。
これからの生活にも影響出るかもでしょ?」
影響………か。
そして太宰が木を切り落とすのを、静かに待っていた。
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私達は元来た廊下を歩き、出口を目指す。
先頭を歩き、Qちゃんをおぶる中也が、後ろから歩いている、あの人形を持つ太宰に話しかけた。
「おいクソ太宰。
その人形寄越せ」
「駄ー目。
万一に備えて私が預からせて貰うよ」
「あぁ糞。
昔から手前は俺の指示を露程も聞きゃしねぇ。
この包帯の付属品が」
「そーだそーだ変態め!」
「なんだって?
中也みたいな帽子置き場に云われたくないね」
「そーだそーだチョロ帽子め!」
「Aちゃんは何方の味方なの!?」
「手前は何方の味方なんだよ!!」
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とワチャワチャ話していると、出口にやっと着いた。
「お、外だ!」
と私が中也より先に出ようとした。
「__おいッ!」
急に襟を中也から引っ張られ、無理やり中に戻される。
お陰で喉を痛めた。
何をするんだと腹パン喰らわせようと思ったら、中也は首元に変なのを巻き付けていた。
「帽子に続いてマフラーとは…。
センスがセンスしてない………」
厭、これはマフラーじゃない。
何処かに続いている。
それを目で追って行くと、夜に溶け込む森から、土を踏み歩く音がする。
「さっきから妙に……。
肩が凝る……。
働きすぎか……?」
其処には、首を180度回転させ、生気の無い目で私達を逆さまか見る、正に化け物が其処に居た。
中也が首に巻きついている物は、此奴の手のようだ。
「ぬおおァッ!?」
「中也が吹っ飛んだー!!?」
中也は家の壁に放り投げられ、壁には大きな穴が出来ていた。
えーーー。
どうすんのこれマジで。
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2キング(プロフ) - 黒九尾*さん» 親の前でいきなり笑ったら凄い目で見られますよね…。私もよくやるので家族から変な人だと認識されてます←更新頑張ります!! (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1ed813b825 (このIDを非表示/違反報告)
黒九尾*(プロフ) - メルヘンチックとリアルが全然違って親達の前で吹いてしまった、キャラ達との会話が物凄く面白いです!更新楽しみに待ってます♪ (2017年3月12日 19時) (レス) id: 5efd775a88 (このIDを非表示/違反報告)
2キング(プロフ) - ヲタク様さん» 閲覧ありがとうございます!こちらも引き続き見てくれてとても嬉しいです!応援宜しくお願いします。 (2016年12月26日 13時) (レス) id: 36a5dfc320 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - こんにちは!【元】『ミミミの松』です!見れました!凄く面白いです!これからも応援するので、頑張って下さい! (2016年12月18日 21時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
2キング - リビリンスさん» 有難うございます!乱歩さんが1番やり過ぎてる感じしてますよね……w私自身、乱歩がどうしてあそこまで行ったのか分かりません←←こんな作者ですが、これからも宜しく御願いします!! (2016年11月14日 16時) (レス) id: 09facf1319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2キング | 作成日時:2016年8月31日 14時