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「ねぇ、」
「…………なに」
私、中也、太宰はあの時敦のガラスのハートを木っ端微塵にした悪魔ボーイQちゃんの救出の為、Qちゃんが囚われているという古ぼけた家の中を歩いているのだが、
「……私が悪かった。
もう絶対変な事をしないって誓う。
だから離れて、正直気持ち悪いし死にたい」
「じゃあ心中!!」
「厭しないから!」
あれからずっと太宰は私を後ろから抱きついている。
歩きにくいし、暑苦しい。
「あぁ気に食わねぇ。
太宰の顔も態度も服も全部。
序にAも」
「え、私関係なくない!?」
意味が分からない私が声を荒げると、太宰が私の肩から顔を上げ、すまし顔で云う。
「私も中也の全部が嫌いだね。
好きなのは中也の靴選びの感性くらいだ」
「あ……?
そうか?」
と自分の靴を裏を見る中也。
相変わらずチョロいな〜。
と憐れみの目を向けながら中也を通り過ぎる。
.
.
「居た」
薄暗い廊下から、淡い光が放たれる一室に私達は到着。
Qちゃんは巨木に躰を縛られ、あの趣味が悪い人形はパイプ椅子に置かれていた。
「木の根を切り落とさないと。
中也、短刀貸して」
「あ?あぁ……。
ん?確か此処に……」
懐に手を突っ込み、短刀を出そうとする中也を他所に、太宰は態と明るく、
「あ、
さっき年の為すっておいたんだった」
「手前……」
中也から死のオーラが漂う。
「短刀扱うなら離れて。
あと若しQちゃんが目覚めて異能発動したら皆裏切って逃げるから」
「Aちゃん私と離れてたから少々記憶が薄れてるんじゃないかな?」
そんなは事無い。
学力は残念だが、毎日ビックリdayの為記憶したくなくてもしてしまうからね。
「さて、やるか」
と太宰はQちゃんに近づき、眠るQちゃんの首元に短刀を近づけた。
あれ、救出じゃないの?
てっきり私は救出してからの、どうにかしやがれこんやろー!かと思った。
私はQちゃんと、それをジッと見つめる中也を交互に見つめる。
「……止めないの?」
「心ん中ではめいいっぱい止めてます。
あと動作」
「首領には生きて連れて帰れと命令されている。
だがこの距離じゃ手前のほうが早ぇ。
それに、
その餓鬼を見てると、詛いで死んだ部下達の死体袋が目の前をちらつきやがる。
やれよ」
「そうかい。
……じゃ、遠慮なく」
太宰は短刀を振り上げた。
私はギュッと目を瞑った。
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2キング(プロフ) - 黒九尾*さん» 親の前でいきなり笑ったら凄い目で見られますよね…。私もよくやるので家族から変な人だと認識されてます←更新頑張ります!! (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1ed813b825 (このIDを非表示/違反報告)
黒九尾*(プロフ) - メルヘンチックとリアルが全然違って親達の前で吹いてしまった、キャラ達との会話が物凄く面白いです!更新楽しみに待ってます♪ (2017年3月12日 19時) (レス) id: 5efd775a88 (このIDを非表示/違反報告)
2キング(プロフ) - ヲタク様さん» 閲覧ありがとうございます!こちらも引き続き見てくれてとても嬉しいです!応援宜しくお願いします。 (2016年12月26日 13時) (レス) id: 36a5dfc320 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - こんにちは!【元】『ミミミの松』です!見れました!凄く面白いです!これからも応援するので、頑張って下さい! (2016年12月18日 21時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
2キング - リビリンスさん» 有難うございます!乱歩さんが1番やり過ぎてる感じしてますよね……w私自身、乱歩がどうしてあそこまで行ったのか分かりません←←こんな作者ですが、これからも宜しく御願いします!! (2016年11月14日 16時) (レス) id: 09facf1319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2キング | 作成日時:2016年8月31日 14時