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「どいてどいてどいて〜〜ッ!!!!???」
鯨と共に地面に落下し物凄い音が当たりに響く。
砂埃が周りを包み、私は咳き込んだ。
痛たたたた…………くないぞ!!
無傷だ!!
砂埃がゆっくりおさまっていき、代わりに私の周りが光に包まれ、それは空に消えていく。
助かった………のかな?
砂を払い、砂埃がおさまると、私はある二人を見つけた。
その二人も私を見て目を丸くしている。
「A!?」
「Aちゃん!?」
二人の声が重なる。
私はえへへ、と笑い二人に答えた。
「ど、どうも。
太宰に中也……」
中也は、本当に私なのかを確認しているのか、頭のてっぺんから爪先まで見ている。
太宰なんかずっと口空いてて気持ち悪いし。
「先刻太宰から行方不明って聞いた。
何処行ってたんだ」
中也が私に寄ってきて、声を発した。
それは静かの中に怒りを感じる。
「……ちょっと組合に捕まってて……。
ていうかアンタは私の親かなにか!?」
心配してやったんだ!と中也は云うが、その顔はあまり怒ってはなかった。
私はそれを確認し、軽く謝る。
「うわっ!」
急に身動きが取れなくなった。
少々頭の理解が必要で、呆然と衝動に任せていた。
「莫迦……。
心配した…………」
太宰が、泣いてる。
私の腰に手を回す太宰が静かに泣いた。
本当に悪い事をした。
自分は何も出来ないのに、鏡花ちゃんを助けに行った。自業自得だ。
しかも組合を甘く見ていた。
あのおじさんが居なければ私は死んでいただろう。
私は太宰の背中を優しくポンポンと叩く。
「ごめんね」
太宰は私を一層強く抱きしめた。
もう離さないとでも云うように。
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2キング(プロフ) - 黒九尾*さん» 親の前でいきなり笑ったら凄い目で見られますよね…。私もよくやるので家族から変な人だと認識されてます←更新頑張ります!! (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1ed813b825 (このIDを非表示/違反報告)
黒九尾*(プロフ) - メルヘンチックとリアルが全然違って親達の前で吹いてしまった、キャラ達との会話が物凄く面白いです!更新楽しみに待ってます♪ (2017年3月12日 19時) (レス) id: 5efd775a88 (このIDを非表示/違反報告)
2キング(プロフ) - ヲタク様さん» 閲覧ありがとうございます!こちらも引き続き見てくれてとても嬉しいです!応援宜しくお願いします。 (2016年12月26日 13時) (レス) id: 36a5dfc320 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - こんにちは!【元】『ミミミの松』です!見れました!凄く面白いです!これからも応援するので、頑張って下さい! (2016年12月18日 21時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
2キング - リビリンスさん» 有難うございます!乱歩さんが1番やり過ぎてる感じしてますよね……w私自身、乱歩がどうしてあそこまで行ったのか分かりません←←こんな作者ですが、これからも宜しく御願いします!! (2016年11月14日 16時) (レス) id: 09facf1319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2キング | 作成日時:2016年8月31日 14時