ト リ ッ プ 少 女 は 武 装 探 偵 社 員 ！ ！ 【文スト】

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「残念だが探偵社は事前予約制でねェ。
勿論Aの拳を受ける事もだよ。
対応が不満なら余所を中りな」




与謝野女医が賢治くんの前に左腕を出す。


カッコよすぎる。カッコよすぎるよ与謝野女医。





「マフィアが敵拠点で暴れるのに、

予約が要ると思うか？」

「要るだろ＿＿」
「要らないと思います！」

「……但し私の拳は予約制なんだからね！！」





私の言葉を覆いながら、手をビシッと上げる賢治くんが余りに可愛すぎるので言い直しました。


あぁ。此処は天国かなにかかな？

天使と大天使に護られる私って幸せ者だわ！

あ、もしかして中也は私に嫉妬して……。






「賢治の云う通りだよ。
暴れたいなら好きにしな」






与謝野女医が頭を掻く。

だが次の言葉に中也は目を丸くした。





「けどアンタは暴れに来たんじゃない。
だろ？」

「や、矢っ張り幸せ者の私に嫉妬を……！！」

「Aは黙ってな。
Aが話すと会話が成立しないからねェ」

「で、
何故そう思った」

「ウチは探偵だよ。

訪客の目的位、一目で見抜けなくてどうするンだい。

しかも何か異様に気が入っていたしねェ」





乱歩が見抜いたのだ。


今頃私達を監視カメラに繋いだパソコンの画面で観ているだろう。





「お宅の社長は？」





与謝野女医が後ろを親指で指さす。

其処にはあの監視カメラだった。





「そこだよ」





面倒くさそうに息を吐きながら、中也は監視カメラに近付きある写真を見せた。






「お宅の新入社員を連れてきてくれたお礼だ。
これはうちの首領からお宅等に贈品だ」

「此は……。
組合の団員？」






監視カメラから社長の声が聞こえる。

一瞬空の上からかと思ったが、そういえば此処に空は無かった。




「奴等を『餌』で釣った。
現れる場所と時間も此処に書いてある。

煮るなり焼くなり御自由にどうぞ」

「……何？」

「こんな好機滅多に無ぇだろ？

憎っくき組合に一泡吹かせてやれよ」


「成る程。

唆られる案だね。
けどもっと善い案があるよ」




与謝野女医は笑いながら、中也に鉈を見せ付けた。

鉈は黒い笑みを浮かべた与謝野女医に合わせるように鈍く光る。





「アンタの手足を削ぎ落としてから、

何を企んでるか吐かせるってのはどうだい」

「そりゃ凄え名案だ。
やってみろよ」






ラスボスの笑みで返した中也に、与謝野女医は鉈を構える。





「賢治」

「はーい」





さ、私は避難っと。

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