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「期待してんの?」
「してない!」
「キスしたい?」
「ヤだ!」
「好きな人は?」
「居ないから離せ莫迦!」
質問を投げかけられ、答えを投げ返す。
それを繰り返していると、乱歩が私の膝に乗り、首に手を回す。
ここまでするかコイツ!!
之は重症だ。
「齢なんて関係ないよ。
僕は君が好き。
これ以外今は考えたくない」
乱歩の真剣な目と、戸惑う私の目がぶつかる。
いや、いやいやいやいや。
冷静に考えよ?
乱歩は二次元のキャラであり、私は三次元の人間だ。
齢とか、人間性とか、関係なく、最初から駄目なんだ。
「や、矢っ張り駄目…」
「…そう……」
少しの沈黙。
すると、突如前から息を吹き込む音が聞こえた。
「プッ。
なーんて」
「は、?」
笑い出す乱歩に、何故か嬉しいような、ムカつくような。
とりま私の事は冗談らしい。
あんな事しといて、と思うが。
.
「諦める訳ないじゃん」
乱歩は私の顔と距離を詰める。
鼻息が触れるぐらいの近さに、手に力が入ってしまう。
「ねぇ、キス…したい」
「ら、乱………歩…」
薄く笑う乱歩はゆっくりと、私の唇に唇を押し付けようとした。
ヤバい、逃げなきゃ。
駄目だと思ってるのに、何故か期待する私。
もう、境界線無視しちゃおっかな。
「イチャイチャする暇ないですよ?二人共」
私を眠気から覚ますにはピッタリの声が入口付近から聞こえた。
「だ、太宰ッ……」
「チェッ……。
之からなのに」
膝が開放され、名残惜しそうに私から離れる。
人生で之程自分を手放した事は無い。
乱歩のペースに呑み込まれていた自分が恥ずかしい。
「Aちゃん。
今から事務員は県外に避難するから、疾く支度をするんだ」
「う、うん」
とても恥ずかしい。
先刻バッチリと見られたのだから。
「乱歩さんは、もう時期国木田君達が帰ってくるので、御指示に従ってください」
「判ったー」
こんな時でもおちゃらけた乱歩が羨ましいと初めて思った。
XII.【三社鼎立】→←XI.【ドーレミッファーソラシッドー】
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2キング(プロフ) - 黒九尾*さん» 親の前でいきなり笑ったら凄い目で見られますよね…。私もよくやるので家族から変な人だと認識されてます←更新頑張ります!! (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1ed813b825 (このIDを非表示/違反報告)
黒九尾*(プロフ) - メルヘンチックとリアルが全然違って親達の前で吹いてしまった、キャラ達との会話が物凄く面白いです!更新楽しみに待ってます♪ (2017年3月12日 19時) (レス) id: 5efd775a88 (このIDを非表示/違反報告)
2キング(プロフ) - ヲタク様さん» 閲覧ありがとうございます!こちらも引き続き見てくれてとても嬉しいです!応援宜しくお願いします。 (2016年12月26日 13時) (レス) id: 36a5dfc320 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - こんにちは!【元】『ミミミの松』です!見れました!凄く面白いです!これからも応援するので、頑張って下さい! (2016年12月18日 21時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
2キング - リビリンスさん» 有難うございます!乱歩さんが1番やり過ぎてる感じしてますよね……w私自身、乱歩がどうしてあそこまで行ったのか分かりません←←こんな作者ですが、これからも宜しく御願いします!! (2016年11月14日 16時) (レス) id: 09facf1319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2キング | 作成日時:2016年8月31日 14時