XI.【ドーレミッファーソラシッドー】 ページ15
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「御使いだとッ!?」
昼の探偵事務所に私の声が響いた。
国木田は手帳を再確認しながら眼鏡を上げる。
「あぁ。つい先刻だ。
敦と鏡花に仕事を任せた」
「何で私を呼んでくれなかったの!?
敦と鏡花の傍にA有りでしょ!」
「こんな時間に出勤したお前が悪い!!
先ず何だ、その目のクマと寝癖と躰に貼り付けいる紙は!」
善くぞ聞いてくれたな国木田よ!!
之は……
「御札!
殺されないように
そのせいで不覚にも全然眠れなかった。
元気が無さ過ぎてこの世の終わりみたいな感じだ。
「そんな事誰もしないと思うぞ」
国木田が紙をビリッと外しながら云う。
「あと寝癖が凄いな」
と、国木田は霧吹きを持ってきて私の髪の毛に丁寧に吹き掛ける。
そしてクシでとかしてくれて、オマケに暖かいタオルまで持って来てくれた。
「これで目を休めておけ」
「おぉ!!流石独歩パパ!
気が聞くね〜」
「止せ、俺はパパではない。
それに、そんな姿で探偵社を名乗らせたくないだけだ」
そんな事云ってるけど国木田サ〜ン?
お顔真っ赤だよ〜。
私はお言葉に甘えて、ソファに躰を預け、タオルを目の上に寝かせる。
国木田の何時も目障りだと思う小言を、今日だけは幸せに聞きながら。
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「……おっはよ〜」
誰かにタオルを上に持ち上げられ、目元に空気が触れる。
タオルは冷めて、事務所はいつの間にかガランとしている。
いや、国木田の声が無い。
「Aは本当に無防備だね」
「ら、乱歩ッ!!」
タオルを奪い取り、それを思いっ切り乱歩に投げ付けた。
顔面にクリーンヒットした乱歩は、顔を摩りながら、非道いな〜、と起き上がった私にタオルを返す。
「く、国木田は?
てか私何時まで寝てたの!!」
「国木田なら、五分前位に賢治君と出て行ったよ。
何かとても焦ってたけど…」
と乱歩は笑みを浮かべ、私の横に腰掛けた。
あ、ヤバイ。逃げよう。
と危機を察知した私は腰を持ち上げようとした時、
「逃がさないよ」
と私を横から抱き着く。
「おぃぃぃぃぃッ!!」
「おいーっす?」
「コッ●ーじゃない!」
まだあの時の事頭に残ってるのに!!
てか一生残るわ!!
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2キング(プロフ) - 黒九尾*さん» 親の前でいきなり笑ったら凄い目で見られますよね…。私もよくやるので家族から変な人だと認識されてます←更新頑張ります!! (2017年3月12日 20時) (レス) id: 1ed813b825 (このIDを非表示/違反報告)
黒九尾*(プロフ) - メルヘンチックとリアルが全然違って親達の前で吹いてしまった、キャラ達との会話が物凄く面白いです!更新楽しみに待ってます♪ (2017年3月12日 19時) (レス) id: 5efd775a88 (このIDを非表示/違反報告)
2キング(プロフ) - ヲタク様さん» 閲覧ありがとうございます!こちらも引き続き見てくれてとても嬉しいです!応援宜しくお願いします。 (2016年12月26日 13時) (レス) id: 36a5dfc320 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク様(プロフ) - こんにちは!【元】『ミミミの松』です!見れました!凄く面白いです!これからも応援するので、頑張って下さい! (2016年12月18日 21時) (レス) id: 12cd453bfc (このIDを非表示/違反報告)
2キング - リビリンスさん» 有難うございます!乱歩さんが1番やり過ぎてる感じしてますよね……w私自身、乱歩がどうしてあそこまで行ったのか分かりません←←こんな作者ですが、これからも宜しく御願いします!! (2016年11月14日 16時) (レス) id: 09facf1319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2キング | 作成日時:2016年8月31日 14時