閑話 〜星も見えない〜 ページ43
流星街
星すらも見えない場所に少年はいた
その眼に映るモノはわからない
「チッ……今日は収穫ナシか」
もう、何日まともな物を食べてないだろう
今までも幾度となくこういうことはあったが今回は本当にヤバい
「腹……減った…………」
どさりとその場に座り込む
一瞬だけ“死んでしまおう”という考えが浮かぶが、すぐに振り払った
死にたく、ない
生きるんだ
どんなことをしても
人影が頭上に現れる
人攫いか人身売買の奴等なのか
上手く動かない手でナイフを掴む
立っていたのは大人の男だった
「落ち着いてくれ。ボクは君の命を狙わない。どこかに売り飛ばすつもりもない」
信じられるか
視線だけでそのことを伝える
そんなウソを信じて死んだ奴らを何度も見てきた
何度も、何度も、何度も、何度も
「ほら、これをあげよう」
男は4つのパンを背負っていたカバンの中から出した
そしてオレに渡す
「いらない」
「毒なら入ってないよ。まぁ、信じられないのも仕方ないけどね」
そう言って男は1個のパンを2つに割った
「はい、これでいいだろう?何なら今、ボクの持っている方でもいいよ」
「いや、いい」
思い切ってパンにかじりつく
変な味も匂いもしなかった
「ほら、毒なんか入ってないだろう?」
「あぁ……」
「あとの3つもお食べ」
少したれ目な男の笑顔にどこかが綻んだ気がした
(この男は何故オレを助ける?)
(今はただ、食べることしか出来なかった)
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Sayura(プロフ) - イチゴさん» ありがとうございます!公開はもう少し先になるかと思いますが、こちらこそよろしくお願いします(^○^) (2015年7月22日 12時) (レス) id: 44ff7cdde6 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - Sayuraさん» 本当ですか!?とても嬉しいです。ありがとうございます(#^^#) (2015年7月22日 11時) (レス) id: 5e3eaf3038 (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - 初めまして、Sayuraと言います。とても面白いと思ったのでこの作品を私の小説で紹介したいのですが、いいでしょうか?嫌だったらすみません。更新楽しみにしてます^ ^ (2015年7月22日 11時) (レス) id: 44ff7cdde6 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - ミックさん» イメージ的にはそうですが、歌詞とは違いますよ (2015年2月5日 17時) (レス) id: 8ed85f4658 (このIDを非表示/違反報告)
ミック - あの・・タイトル『サクラミツツキ』っていう曲をパクってますか? (2015年2月5日 17時) (レス) id: 898fb53a0d (このIDを非表示/違反報告)
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