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欠片158 ページ39

大きく聳え立つ石扉の前に私達は立っていた

観光ツアーのバスに乗ってきてやってきたのだが、その中に賞金首ハンターが混じっていた。敷地内に侵入した2人は例外なく骨となって還ってきた

それを見たせいで軽いパニックが起こり、他の客は帰った。それは私達にとっては好都合だったのだが

守衛の監視小屋に招き入れてもらいながら、私はうっすらと思う



――――私は此処に来たことがある



確かイルミに仕事の依頼をしに来たんだった。そうするように頼まれた


お前ならアイツ相手でも大丈夫だろう」


『買いかぶるな。相手も私と同じように不合理を嫌っているだけだろう』

「似たもの同士じゃないか」



ああ、この声はきっと“クロロ”だ。低くて鼓膜を刺激し、そして命令を聞かざるを得ないような音色

彼は白いシャツに黒いスキニーと、シンプルな服装だ。そこまで見えているのに顔だけがぼんやりとしてままならない


「A?」


クラピカに声をかけられてハッとする。いけない、また意識が内側に籠ってしまった

最近はちょっとしたことで記憶の断片が流れ込んでくる。もしかしたら、全てを思い出せるのは遠くないのかもしれない


クロロに出会えるのは、少し手を伸ばせば掴めるような未来なのかもしれない


立ち上がって外に出る。そこではレオリオが試しの門を開けようと四苦八苦しているところだ

しかし開けることは叶わない。それを見て私は扉に手をかける


「おい、オレができなかったんだ。お前が出来るわけ……」


腕に力を込めて足元にオーラを集める。そのままゆっくりと体重を扉にかけた

重たい扉が土煙を立てながら開いてゆく。そのまま4の扉まで開ける


「32トン……!」


守衛が恐ろし気に呟いた


『私は用がありますので先に中に行きますが、あなた達はどうします?』

「自分で開けられるようになるまで、入らないよ」


雛鳥君の言葉に2人も頷く。それを見て私は閉じゆく門の隙間に身体を滑り込ませた


『では。また後日』


ゴオォォォン、と低い音を響かせながら地獄の門が閉じきった

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イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» ごめんなさい。今から2週間ほど、学校生活が忙しくなるので更新が遅くなってしまいます (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - せいちゃんさん» コメント、ありがとうございます!とても励みになります (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきポン - 続編楽しみです!! 毎日の癒しです~(σ≧▽≦)σ (2016年9月9日 15時) (レス) id: 37851f8854 (このIDを非表示/違反報告)
せいちゃん(プロフ) - 初めてコメントします!ちょっと前から見させてもらってます!!このアプリの中でも1番好きです!!これからも頑張ってください(´˘`*) (2016年9月8日 22時) (レス) id: 88c86e64d1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと更新してきますね (2016年9月4日 15時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イチゴ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月20日 16時

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