欠片147 ページ26
最終試験を受けられるのはここまで残った10人だった
この試験に受かって晴れてクラピカがハンターとなれば、彼は真っ先に復讐のために動き出すだろう。そうなれば蜘蛛へ会うのもそう遠くない未来だ
再び飛行船に乗り込んだ。私はクラピカから離れようと気配を消して廊下の奥に進んだ
一方、その頃クラピカは
「ゴン」
窓の外を眺めている少年に声をかけた。振り向いた少年はどこか無表情だ
「いよいよ最終試験だな」
「うん」
「ここまでこれたのもゴンのおかげだ」
「そんなことないよ」
いつもの笑い方とは違った。どこか曇っている表情を見て確信を突く質問を投げかける
「4次試験中に何かあったのか?」
そして少年は相手がヒソカであったことを告げた
その際に舐められてしまったこと、自分の弱さを自覚したこと、試験に受かったのはヒソカのおかげであること
歯を噛みしめて、涙を流しながら少年は悔やんでいた
「ゴン。私もレオリオもお前がいたからここまでこれたんだぞ」
そう言うと少年はいつものような笑みを浮かべた。しかしその後にふと真面目な表情になる
「Aになんて言われたの?」
「見られていたか」
「だって、どっちも泣きそうな顔してたから」
ああ、そうだった。さっきの彼女は泣きそうな顔で必死に厳しい表情を保っていた
「彼女に言われたよ。別れは遠くない、と。そして“契約”の関係から情は生まれないと」
「……Aってウソつきだ。だってクラピカのこと、すっごい大事にしてるのに」
「私に出会う前に……つまりはヒソカと何かがあったんだろう。だから情を持つことに苦しんでいるし、嫌悪すらしている」
ヒソカ。彼はAに何をしたのだろう。彼女にとってどんな存在なのだろう
「でも、私はAとずっと一緒にいられる未来が見えるんだ」
復讐を終えて、緋の眼も取り戻した後に、2人きりで穏やかな日々を暮らしたい
目を閉じてその未来を思い描く
A。オレは言われた通りに夢想するよ
あなたの記憶が戻って、その探し求めている人とオレが会って、3人でどこかに行って
ゆっくりと、ゆっくりと時の流れを感じたい。あなたと一緒にいたい
きっと幸せだ。私とAと誰かで過ごす日々は
今は喪った記憶に苦しんでいるのだろうけど、それが戻った時には私のわがままを聞いてほしいのだ
不器用なあなたの、笑顔を見たいのだ
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イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» ごめんなさい。今から2週間ほど、学校生活が忙しくなるので更新が遅くなってしまいます (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - せいちゃんさん» コメント、ありがとうございます!とても励みになります (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきポン - 続編楽しみです!! 毎日の癒しです~(σ≧▽≦)σ (2016年9月9日 15時) (レス) id: 37851f8854 (このIDを非表示/違反報告)
せいちゃん(プロフ) - 初めてコメントします!ちょっと前から見させてもらってます!!このアプリの中でも1番好きです!!これからも頑張ってください(´˘`*) (2016年9月8日 22時) (レス) id: 88c86e64d1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと更新してきますね (2016年9月4日 15時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
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